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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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アイスと美女

「やけに遅ぇから迷子になったかと思った」



走って猿田の元まで戻れば、店の前で両手にアイスを持った猿田が待ち構えていた


私がトイレに行っている間に、順番が来たようで、猿田は注文を済ませており、私の帰りを待ちぼうけていたようだ。


両手にカップをもつ猿田の姿はなんだか面白いが、結構待たせていたので、謝罪と共に感謝を伝えた。



「強ちゃんありがとう、頂くね!」



「うん、俺の奢りだから美味しく食べろよー!」


「美味しくいただきまーす」



カップとスプーンを渡され、アイスを一口頬張った


口の中で、ソーダーの爽やかな味と濃厚なミルクの味が広がり、甘くて美味しい


それと同時に、ぱちぱちとキャンディーが弾け口の中で暴れているが、それも面白く名前の通り魔法のようだ



「この、パチパチなるの面白いね〜」


「なんか、癖になるなコレ」




近くのベンチに座り黙々と2人でアイスを堪能していると、視界に見慣れたチャイナ服が目に入った



「あれ、師匠じゃない?」



隣の猿田の腕を揺さぶり、見てみてと言えば猿田も師匠を視界に入れたようで、2人で目を合わせた



「天明さんじゃん?何してんだ?」


「師匠もマジックアイス買いに来たのかな?」


「あー確かに天明さん甘党だしありえるな?…なぁ、あの隣にいる人がお姉さんか?」




見てみ?と言われ天明の隣に隠れる女性を見れば、確かに白髪で、遠目で見ても天明とよく似ている



服装もおしゃれで色も派手なので、とてもよく目立つ。


天明もチャイナ服を着ているので、十分目立つというのに、全くそれに負けていない



「めっっちゃ美人じゃない??」


「たしかに…あれは綺麗だな」



2人でまじまじと、外見について話していれば私達だけではなく、近くの若い子達も天明達を見て騒いでいた



《あの2人やばくない?美男美女じゃん!》



なんて聞こえてきて、周りで盛り上がる彼女達に、私もうんうんと頷いた。



「師匠も綺麗な顔してるし、あそこの家系って皆美形なんだろうな…ボスもかっこいいもんね」


「確かになぁ、ボスも整いすぎなんだよな」



2人でメニューを選び終わったのか、天明が後ろの列に並び、姉の方はどこかへ行ってしまった

私と同じくお手洗いかな?と隣に言えば、多分なと。




「天明さんのところに行ってみる?」



1人になった天明を見て、声掛けに行こうぜと言い出したので、一緒に天明が並ぶ長蛇の列まで向かった




師匠〜!と、2人で声を掛ければ、天明はこちらの声に気がついたのか、あからさまに目を開いて驚いていた



「え、何してるの2人とも」


「俺らもコレ食べに来たんですよ!天明さんもですか?」



「あ〜そうなの?…うん、姉さんがどうしても食べたいって」




なるほど、やっぱりさっきの美女は間違いなく天明の姉だったらしい


どうしても、行きたいと言われ仕方なく来たんだという天明に、ここのアイスは甘くてパチパチして美味しいですよと言えば天明は少しだけ目を輝かせた



「パチパチなるの結構癖になりますよ」



と説明する猿田に、アイスを頬張りながら頷けば、段々と興味が出てきたらしく、天明は再度メニュー表を眺め始めた




「ん〜…やっぱりマンゴーアイスじゃなくて、バナナ&ストロベリーにしよう」



真面目な顔して、アイスを選ぶ天明は相変わらず可愛いくて、見ていて微笑ましくなる


周りの若い子達も、先ほどからチラチラと天明の方を見ているので、同じ気持ちなのだろう




「師匠〜さっきの美女がお姉さんですか?」


「美女…?あぁ、うん。姉さんだよ」


「やっぱり!で…お姉さんはどこに?」



「待つの嫌いだから近くをうろうろしてくるんだってサ、僕は姉に使われてるの」



「天明さん…俺もこいつがトイレ行ってる間ずっと並ばされてました」



「行っていいって言ったじゃん!」



「言ったけどね?並んで待ちぼうけてたのは事実だろ?」




くっ…猿田の言っていることは事実だけれど、その言い方はなんだか腹が立つ




「そうなの?」


「でも奢ってくれるって言ったのは強ちゃんですよ?」



「へぇ〜?…士郎、やるネ」



おおぉ〜と感心する天明に、猿田も満更ではなさそうに、優しいでしょ?と言っている




「海、ご馳走してもらえてよかったね」



優しく私の頭をポンポンと撫でる天明は、なぜか私よりも嬉しそうにしていた。



「你在做什么?」



ふと、後ろから女性の声が聞こえ3人で振り返ると、先ほどの白髪美女が立っていた


私と猿田を見て、明らかに誰?という表情を浮かべたかと思えば、美女は天明に話しかけた。


美女は中国語で話しているため、正直何を言っているのか分からない



天明と美女のやり取りを黙って聞いていたが、やはり天明も中国語で返すので、2人の会話は全く理解できない


猿田に視線を向け、分かる?と聞いてみたけれど、彼も意味が分からないようで、分からん。と首を傾げていた



2人で頭を傾げていれば、天明は私達に分かるように、彼女が姉で名前は明凛だと紹介してくれた




「そしてこっちは海と士郎、姉さん覚えた?」


「あー…うみと、しろう」



天明は明凛が分かるように、ゆっくりと日本語で問いかけると、私のことを海と理解してくれたようで、頷き名前を呼んでくれた。



天明よりも日本語が拙い明凛は、私と猿田を見ると、赤い瞳を細めて微笑んだ



ヨロシクネと挨拶をしてくれたのだが、その笑顔があまりにも綺麗で、流石に女の私でも頬が染まっていくのが分かる



隣の猿田も、若干鼻の下を伸ばしているようにも見えるし、もしかしたら私も鼻の下が伸びているかもしれない。



間近で見ると更にお肌も綺麗で、女優さんのような明凛に、どこか緊張してしまい、かみかみになりながら、自己紹介をすれば明凛はとても満足そうに頷いてくれた。



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