9.
111話 物足りない
床ドン
肩ズン
足プール
絵(お、惜しい!!)二人とも仮面をかぶっているため
112話 辛い人と楽しい人
鋼「先生、俺にもお面を……!!」床ドンのあと。申し訳ない顔で
絵「えー」
絵「理由は」
鋼「女性とこんなに近いのが初めてで、その……」
絵「OK」こいつ初心だ!
絵(なんか楽しいことになりそう~♪)鋼はよかったぁと安心している
『というやりとりがあった』
113話 鈴の心中
『それぞれのポーズをしている頃の鈴』
鈴(わ~)床ドンの際
鈴(これ腕立て伏せみたいて大変だろうに)
鈴(ほんと、鍛えてるんだろうな~)
『そのときの鋼の顔が別の意味で真っ赤なことを知らずにそんなことを考えていた』
114話 むかしむかしの始まり
『肩ズンのとき』
鋼(まずい、なんか気まずい)
『と考えているのは鋼のみである』
鋼「あ、あの!」
鈴「?」
鋼「どうして先生のこと、そのみんと呼ぶんですか?」
鈴「ああ」
鈴「それはね~」
『ちょっとした昔話が始まる』
115話 むかしむかし
『小学生3年生の頃』
絵を描いている絵美
それに気付く鈴
じっと見つめる鈴に
絵「なに?」
鈴「あっ……」
鈴「絵、上手だなって、思って……」
絵「ありがと!」笑顔で答える絵美。
鈴、笑顔で答えてもらったことに驚く
116話 むかしむかし2
絵「描いてあげよっか?」
鈴「え、……いいの?」
絵「自由ノートちょうだい!」笑顔で手を出してくる。
鈴のノートを見て
絵「え! なにこれ!」
読みたい本と、作りたい料理のレシピ、掃除のコツなどがずらりと書いてある。
117話 むかしむかし3
鈴(暗いとか、気持ち悪いとか、自意識過剰とか、言われるんだろうな……)
絵「いつでもお嫁にいけちゃうじゃん!!」
鈴「え? ……そ、そんな」
絵「よっしゃ、いろいろかくぞ!」
絵「んじゃ借りるね~」
嵐のように去っていく絵美にぽかんとする鈴。
118話 むかしむかし4
『翌日』
絵「はい!!」
鈴「ありがとう……」早い
開いてみると
鈴(わぁぁぁ~)たくさん絵が描いてある。四コマ漫画も。
「すごい……!!」
119話 むかしむかし5
絵「これは鈴ちゃんね!」
鈴「え? わたしこんなんじゃ」
鈴(根暗眼鏡とか、真面目馬鹿とか、本の虫とか言われてるのに)
鈴「わたし、こんなにきらきらしてないよ」
絵「えええ~?」
絵「鈴ちゃん、すごいしっかり者じゃん! だらだらしてるあたしにとってはキラキラなの!」
鈴「!!」
120話 むかしむかし6
鈴、公園のベンチにて絵美の言葉を思い出している。
ふふっと笑いながらノートを見直す。
そこへ下校中の同級生が来る。絵美も一緒。
同級生「うわ、根暗がノート見て笑ってる~」
「キモいんだけど」
「いつも本持って、しっかり者アピールとかないわ~」
鈴、くすくす笑いにノートをぎゅっと持って耐える。
絵「そんなことないよ」
121話 むかしむかし7
絵「鈴ちゃん、おうちのこともなんでもできて、勉強もできて、先生からも頼られて、すごいんだから! あたしにはできない~! うらやましい!!」
絵「あたしの絵、喜んでくれたんだよ! ってわけで、あたし鈴ちゃんとお話ししてく! じゃーねー」
同級生「あ、ちょ」
気にせず公園へ。
そそくさと帰る同級生。
隣に座る。
鈴「ごめんね……」
絵「なにが??」
122話 むかしむかし8
鈴「だって、わたしをかばったせいで、あの子たちから嫌われちゃったら」
絵「いいの!」
絵「本人に聞こえるように悪口言う人、嫌い!!」
鈴「……!」
絵「まったく、あーゆーのをしっときまらないって言うんだ」
鈴「失礼極まりない、って言いたい?」
絵「それ!」
123話 むかしむかし9
二人、黙って見つめ合う。
絵・鈴、ぷっと吹き出し笑う。
絵「りんりん、そうやって笑うと可愛い!!」
絵「ほら、この画とそっくり!」
顔とノートを並べる
124話 むかしむかし10
鈴「ありがとう……!」泣きそうなのをこらえて
絵「これから、りんちゃん、りんりんって呼ぶね!」
鈴(さっき呼ばれた気が)
鈴(あだ名なんて、つけてもらったことない)嬉しい!
鈴「なんか、友だちみたいで嬉しい」
絵「友だちでしょ」
鈴、心の中ぱあっ
125話 むかしむかし11
絵「ともダチでしょ?」
鈴「え」
絵「違ったの?!」ガーン!!
絵「そ、そんな、あたしの片思いだなんて……」
鈴(それは、勘違いのこと?)
126話 むかしむかし12
鈴「ち、ちがくない! 友だちだよ!」焦る鈴。
絵「だよね~」にっこり手を握ってくる絵美。
鈴(切り替えはやっ)
絵「友だちを悪く言うやつは絵美さまが栽培じゃ!!」
鈴「成敗?」
絵「それ!」
二人で笑いあう。
127話 むかしむかし13
鈴、ノート見ながら
鈴「絵美ちゃんって、絵上手だね。漫画も楽しい」
鈴「将来漫画家さんになるの?」
絵「う、うん……」ちょっと目を逸らして気まずそうに
鈴「なれるよ!!」
128話 むかしむかし14
鈴「すごい上手だもん! 楽しいし! なんかね、目が離せないの!! きらきらでね!!」
絵「ぷっ」
絵「りんりん、ほんとは超絶だね」
鈴「饒舌のこと?」
絵「……馬鹿にしないの?」
鈴「なんで??」本当に不思議そうな顔で
絵「!! なんでもない」
129話 むかしむかし15
鈴「あのさ書上さん」
絵「?」
鈴「絵の端に書いてある“そのみ”って、ペンネームってやつ?」
絵「えみです」
鈴「え?」
絵「えみです。あたしの名前!!」
鈴「!!」
ぐしゃっとなりすぎて、えみ がそのみに見えている。
130話 むかしむかし16
鈴「ご、ごめん……」
絵「いいのよ、あたし、りんりんみたいに美しい文字じゃないし……」
絵「将来のためのサインなのに……」
鈴「サイン、かっこいい!」
絵「え?」
鈴「じゃあ私が、サインもらった第一号ってこと? 嬉しい!」
嬉し恥ずかしい絵美。
131話 むかしむかし17
絵「よし、りんりん、これからあたしのこと、そのみんっって呼んで」
鈴「そんな急に」
絵「友だちでしょ?」ずい、と迫る
鈴「はい……」
絵「りんりんにだけ、その呼び方を許す!!」
鈴「うん、そのみん」
132話 むかしのはなしでした
鋼「そんなことが……!!」お面の向こうは涙。
(お面しててよかった!)
鈴「ほんとに漫画家になって、下の名前はそのみとしてやってるんだよ」すごいでしょ
鋼「なんだか意外です」
鈴「なにが?」
鋼「りんさん、昔から今みたいだと思ってました」
しゃきっと強気でしっかりリーダーみたいな
133話 だれのせいか
会話に入ってくる絵美
絵「小学生の頃はね~、太い淵の眼鏡に二つ縛りで本をかかえてて、しゃべらないしでも成績良くてさ、ザ・真面目だったのよ」
鈴「しかたないでしょ、お母さんもお父さんも仕事人間だったから、そうならざるをえなかったの」
絵「あとはあんたのせいよ」ぎろりと絵美をにらみ、ひゅーと口笛を吹く絵美。
鋼(これで今のりんさんがいるのか、納得)ほっこりする鋼
134話 眼鏡
絵「あの眼鏡がファッション眼鏡だったと知ったときは驚いたよね~」
鈴「私もだよ」
鋼「どういうことですか?」
鈴「小学生のときにお土産でもらったんだけど、父が海外出張で買ったブランドものでさ」
鈴「自分が近くにいると思ってほしくて、先生にも度が入ってると偽って私にかけさせてた」いや~、私も度が入ってるもんだと思い込んでたよ。
鋼(お父様!!)




