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第十七話 練習・・・そしてクラブのスタイル構築・・・そして勉強

個人の技術向上は当然日々行っているけれど、連携を高める上でぼくたちがしていること。

警泥ケイドロだ。

追いかける側と逃げる側に分かれて鬼ごっこ。

まじめにやれって?

そりゃマジメです。

なぜかというとスタメンがかかっているからです。


「ゲラルトを追い込め!」

「ニコ!寄せが甘いよ!!」


必死です。


「マリウスの位置確認!」

「OK~カバーしているよ~」

「あれ?ミズホは何処にいる!?」


もう真ん中怖くてフィールドの端にいると突っ込まれます。


「ミズホ!おまえ楽するなよ!!」


だって、真ん中だと何処から来るのかわからないですもん。


攻撃陣が泥棒役で守備陣が警察役で繰り返します。

トップ下のぼくは泥棒役でもう狙い撃ちです。

逃げるときはなりふり構わずスライディングしてよけたり味方をおとりに使ったり・・・なんか悪役です。


「ミ~ズ~ホ~~~~!待て~っ!」


カールコーチとクラウスコーチは笑ってみています。

これをやっているのは通常練習の合間、普通休むでしょう・・・。


「動きよくなってきたね~」

クラウスコーチの温かいお言葉。

だから必死ですから。


ピピーッ!

ホイッスルの音で再び通常練習に戻る。

休む暇ないのですが、みんなどんな体力しているのでしょう?


「おまえら、ホント身体デカイ子どもだな」

カールコーチが少しあきれたような顔していいながら次のメニューを言う。

2チームに分かれての試合形式の練習がはじまる。


ぼくはトップ下で攻撃チームの方かと思いきや、カールコーチが一言。

「4-3-3のままだけど、真ん中3人はどちらかと言うと守備的な三角形を作ってね」

ぼくがトップ下を明け渡した瞬間だった・・・。


「マリウスとミズホが底辺を作って守備チームね。

そしてヤーコブが攻撃側のトップ下に入って」

本当に明け渡してしまったみたい・・・。

「ただし、真ん中はコロコロ入れ替えて試すからね。

両チームの真ん中3人は基本、攻撃ひとりの守備ふたりだけど、戦況を見ながらそれぞれの個性を出すためにポジションを入れ替えるように。

ただし、基本はマリウスとミズホが下からゲームを組み立ててね」


守備的な布陣なのか?攻撃的なのか?


「えっと、これ、決して守備的ではないよ~縦をコンパクトにするための戦術ね。

それとディフェンスはセンターバックがサイドもケアするように。

ボランチ気味に入るふたりはそのときは空いた真ん中を押さえるように。

そしてサイドバックは上がれ。

フォワードはクロスを上げるのか、シュートを打つのかで利き足によって自己判断で左右を入れ替えながら対応ね。

真ん中の選手は状況判断で、フォローなのかクロスに併せてゴール前で待つのか判断重要ね」


あ~あ~。

沢山言われました。

理解できないところはラルフが英語で・・・それでもわからないことはわからない。

やってみるか。



ゲーム形式の練習中はメンバーが入れ替わる入れ替わる。

ただし、センターバックのジャコモとレオ、そしてボランチ気味に入ったマリウスとぼくはずっと同じ組だった。

他は、デフェンダーがミッドフィルダーになってみたり、ミッドフィルダーがフォワードになったり、フォワードの選手がディフェンダーになったりした。

狙いは複数のポジションをこなせるようにと言うことと、フォワードの選手は相対するディフェンスの気持ちを理解するとかメンバーそれぞれに課題が課せられた。


ぼくとマリウスはひたすらトライアンドエラーの繰り返し。

コーチから特に指示は出ないけれど、ジャコモとレオを含めて最後のほうは怒鳴りあいだった。

それはコーチが望んだ姿だったのは実際の試合する少し先にわかったことだ。

メンバーを入れ替えながらも、そのピッチに立つ選手の特徴を活かす攻撃の組み立てと、ディフェンス時の連携をとり、多彩な攻撃と安定した守備を一度に得るための布石。

まあ、初めはダメダメだったけれどね・・・。


ちなみにテストは散々だった。

英語が飛躍的に伸びたけど、他が撃沈だった・・・。


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