70.ポンポンシーランドに着きました
船の上から見えるポンポンシーランドの街をみた瞬間、思わずため息をついてしまう。
「か、かわいい」
「まぁ、素敵ね」
家々が、赤や青、黄色や緑のペンキで塗られているんだ。
港に止まっている小舟まで塗られている。なんか、小人のお家みたい。
「ここは美食の街と言われているようだね」
「まぁ、素敵ですね!」
乗務員さんによると、ここでも犬ぞりやスキー、氷山のハイキングなどが楽しめるようだけど、やっぱりこんなに可愛い街は市内観光を楽しみたい。
海賊が建てた神殿や、農地、先住民の遺跡も見られるそうだ。
早速、海賊が建てた神殿に向かうことにした。
神殿は街の端の氷山が見える場所に建てられている。
周りは農地のように整えられているので、海賊はここで畑を作って暮らしていたのだろうか。
海賊なのに。
それにしても、神殿かわいいわ。
動物避けに作られた薄い色のレンガ囲いに覆われたその小屋は、芝生でできた大きな三角屋根があり、木の茶色と屋根の緑が愛らしさを増している。
横の壁は岩と土で覆われていて森の妖精の家のようだ。
でも神殿というよりは、小屋なんだよね。小屋にしか見えない。
突然、小屋の中から人が出てきた。
すごく体格のいい女性が、昔の海賊風の洋服を着ている。
すごく小さな小屋なのによく入れたな。と思っていると突然女性が歌い始めた。
オペラなのね。ここでもオペラ!
女の人の歌によると、この神殿は、海賊が奥さんの為に建てた神殿なんだって。
オペライベントをこなした私たちは、街に戻り、新鮮な海鮮の串焼きを食べる。
「なんの肉かしら」
「これは、クジラだね」
「!!」
なんとビックリ、一番美味しかったのはクジラだった。
エビやタラ、オヒョウなどももちろん最高に美味しかった。
お行儀悪く食べ歩きながら、先住民の遺跡にたどり着く。
そこには芸術的な絵が彫られている大きな石があった。
こんな事言ってごめんなさいだけど、マンドリルの顔に見える。
街に戻ってゆっくり散策するけど、お土産やさんはないみたい。
家が可愛いので見ているだけで楽しかったよ。
船に戻ると、夕日がきれいだから是非と乗務員さんに案内され、みんなでデッキに出た。
夕日が沈み、夕焼けに染まる氷山を見た。
水色の氷山と、茜色の空のコントラスト。
美しいものを見ると自然と心が動いてしまう。
感傷に浸っている内に、外は暗くなる。
「戻ろうか」と、足を動かした時、突然陽気な音楽が聞こえ始めた。
さっきまでいた街の港が突然明るくなる。
大きな焚き火を始めたかと思うと、愛らしい民俗衣装を着た男女がポルカの様なダンスを踊り始めた。
デッキの上もダンス会場になり、遅くまで宴が続いた。




