表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/98

67.船内にいるときはこんな感じです。

私たちは一度ロビーのラウンジに落ち着き、今日の予定の確認をする。


「夕方からはオペラをやるようだ。その後はダンスパーティーがあるけどノラは踊れるかな?」

「踊れないよ!」

踊るってなに?フォークダンスもダメだよ。


「ふむ、オペラの前にレッスンの時間があるからそれに参加しよう。私も久しぶりだから練習しないとね」

「叔母さんは踊れるの?」

「そうね…私はシュベック国風のダンスも、社交で踊るダンスも一通りは習ったけど、随分前の事だから踊れるかしらね?」

「では、みんなで行くとしよう」


レッスンの時間になり部屋に入ると、ダンスの講師が数名待機していた。

男女でそれぞれペアになり、右手をつなぎ、左手は腰や肩に組み踊り始める。


私の担当になった男性の先生は、「随分小さなレディだね」と言いながら私の両の手を引いてステップを踏み始めた。

四拍子の簡単なステップなんだけど、手の持ち方のせいで全然優雅じゃない。


その後、三拍子のワルツにうつり、先生から合格をもらう。

あら、私才能あったのかしら。社交ダンス経験者かな。


叔母と祖父を見ると、叔母はステップを踏みながら祖父の左手に自分の右手を押し当て、その勢いで一回転していて楽しそうだ。

南の方の地域の踊りらしい。


レッスン終了後、先生は「子供は少ないので、本番は僕の息子に付き添いさせましょう。」と、祖父に申し出てくれた。

今から着替えたり、色々と準備をします。



そしてオペラの時間。

パンフレットに目を通し、開演を待っていると、暗い舞台から突然音楽が鳴り、男の子の美しいソプラノが聞こえてきた。


オペラの内容は、男の子が石になってしまった幼馴染の女の子を助けるため、地獄に赤い花を取りに行くというお話で、旅の途中には男の子を惑わせる悪い怪物たちがでてくる。


中でも親切な家族のふりをして、男の子を慰め、ここには苦しい事はない。守ってあげるから一緒に住もうと言う怪物の誘惑に揺らぐ男の子を見ては、手を握りしめてしまった。


懺悔します。芸術作品にこんな感想を抱いてしまう私は悪い子です。

絶世の美女に扮した怪物役で出てきた女性の横幅がすっごく大きかったので、美女かぁ…と思ってしまいました。


オペラが終わると会場はダンスホールに変わるので、私たちを含めた参加者は席を立ち、ホールへと向かう。

控え室にはダンスの先生と、その息子とおぼしき男の子が待っていてくれた。


最初は先生たちの素敵なダンスから始まり、その後で私たちもワルツを踊り始める。

一時間ほどのボールルームダンスを終えると、会場の雰囲気が変わり、好きな曲をバンドにリクエストして踊るカジュアルなダンスホールになった。


この時間を目当てで、気軽な服装で参加する人も多数いる。

正装を着ているのにラインダンスやスクエアダンスを始める人もいて、会場は大盛り上がり。


一緒に踊ってくれた男の子のお名前はエリオット、この船旅中何回もダンスパートナーを勤めてくれた。


身長が同じくらいなので、正直先生よりも踊りやすい。

会場を見廻していると、オペラの主役を勤めた男の子が大勢の人に囲まれていた。

じっとみていると目が合って、ウインクを投げてもらった。


アイドルの追っかけになる気分がわかっちゃうね。きゃー



ダンスが終わると私たちはくったくたで、空腹を感じなかった。

祖父と共に、私たちの暖かい部屋に入り、ルームサービスでスープとパン注文し、ダイニングテーブルで

簡単に夕食を済ませる。


「明日の朝のためにお腹を空かせておかないとね」

叔母、本気!!明日の叔母は推して知るべし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ