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56.客間を整えます

木々が黄色に色づき始め、季節は秋を迎えた。

祖父と一緒にこの村にきて一年が経過しようとしている。


今年もカボチャの料理が作りたいなと、去年を思い起こしていると思いが通じたかのように叔母からの手紙を祖父が手渡してくれた。


「アビゲイルさんが遊びにくるよ。客間の掃除をしないとね。」

祖父も手紙を受け取っているようで、私が手紙を読む前に教えてくれた。


受け取った手紙の封をあけ、手紙を広げると確かに叔母が2週間後から春になるまで遊びにくると書いてある。

途中で船旅も行きたいって!

やったー!


さっそく祖父と客間の扉をあける。

おぉ!


部屋はシンプルながらも、暖かみのある色で統一されていて、祖父の作った家具は美しい曲線や、螺旋、彫刻などがなされている。


特に目を引くのは椅子で、大きな座面には赤いクッションがついていて、体全体を包み混んでくれるような背もたれのゆるい曲線。


本を読んだり、編み物をするにも、くつろげそう。

アームにも、背もたれにも、透かし彫りで薔薇や、蔓が施されている。


勿論、机やクローゼットも素晴らしいけど、女王様の為に作られたように、優雅で華やかな意匠の椅子に目を奪われてしまう。


これは、人を魅了する魔法の椅子では?

少しだけチョコンと腰をかけてみると、座面には弾力があり腰も痛くならなさそう。


椅子に興味を持つ私に、祖父が作りを説明してくれる。

座面を板ではなく、ベルトで組み込んでいるそうだ。

体重が多い人にも優しい設計。


部屋を整えるために、まずはベットカバーや掛け布団を外に運び出し、夜露に当てる準備をする。


「見違える様に綺麗になるし、ふっくらするよ」

ここはカラっとしてるからいいけど、湿気の多い国でもできるのかな?


あとは窓を全開にして掃き掃除と拭き掃除を手分けしてやっていく。


もともと使っていない部屋なので、埃さえ払ってしまえばピッカピカだ。


客室だからか、生活感がないね。

モチーフ編みのブランケットでも作ろうかな。


祖父の製作した家具をみていると、美術館にでも入ったような心持ちになる。


幼い頃から良いものに触れられるって凄いことだよね。

家具一つで喜びを感じられる今の私は結構好きだな。


叔母への返信には楽しみにしている事と、フードチョッパーの事を簡単に書いておいた。

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