54.料理と禅は似ている
頼まれごとを済ませたけれど、まだパン屋には戻らないほうが良いだろうということで、今度は隣のローラさんとマスターのお店に行く事にした。
ジナさんが産気づいている事を伝えた。
「まぁ!私もお手伝いしたいけど、私が行っても仕方ないものね。おしめを沢山作らなくちゃ!あとは何をプレゼントしようかしら。男の子かしら?女の子かしら」
「おしめは沢山用意してたよ。」
「おしめはいくらあったて足りないくらいよ」
「俺からも何か用意しないとな。なんにせよ性別がわかってからだな」
「知らせてくれてありがとうね。ジョンさんにも知らせた方がいいんじゃないかしら?」
ローラさんの言葉を引き取り、私も家に帰る事を提案する。
「先生、うちで少し休もう?まだ戻れないんでしょ?」
「そうだなー。早くても後4時間位は待ってた方がいいかもな」
「じゃあ、お祖父さんにも知らせてきます。お邪魔しました。」
「はーい、またね」
「あんまり、アタフタするなよ」
あと4時間位かぁ。私達はお腹いっぱいだけどきっとみんなはお腹が空くだろうな。
確か葉酸と鉄分が産後にはいいんだっけ?
あとタンパク質...?
私達3人は祖父の家に着くなり、ジナさんの話を祖父に伝えた。少しは驚いたようだけど
「もうそろそろだと思っていたよ。とにかく、もう少し待とう」と言ってウィル先生に席をすすめた。
ミリーはずっと抱っこされていたので、まだ元気があるようだ。
「お祖父さん、みんなにオヤツを作ってあげたいんだけどいいかな?」
「もちろんいいとも。優しい子だね」
「ノラが作るのか?僕も手伝うよ」
「私も手伝う」
何かしていないと落ち着かないよね。
今から作るのは、簡単に食べられるグラノーラバーです。
まずはお祖父さんが材料を揃えてくれる。
机の上に置かれたのはナッツ類に、ドライフルーツ、全粒粉に、ミルク、メープルシロップ、ピーナッツバター。
先生が、ナッツとドライフルーツを細かくしてくれたのを、全部の材料とよく混ぜて、私とミリーで四角い型にぎゅうぎゅうとつめていく。
オーブンで20分ほど焼いて、冷めたら食べやすい大きさに切って出来上がり。
ここにはこの世の大事なもの全てが詰まっている。
愛とかね。
男性はこれだけじゃ足りないだろうな、他に何か作ろうかな。
と考えているとミリーが「パンも作ろう」と言うので、ジナさん秘伝の酵母を使って4人でパンをコネコネしたり、叩きつけたりしているうちに気分も落ち着いてきた。
暖かいので、発酵もすぐ終わり、祖父は干葡萄。私はチーズとハム。ウィル先生はベーコンと胡椒。ミリーはローストした雑穀を混ぜたものをそれぞれ作って、丸めてオーブンに入れる。
さすがにミリーはパン屋の娘なので上手!
先生も、祖父も手先が器用なのね。
綺麗な丸いパンが焼けました。




