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51.お年頃のエイミー

午前の授業が終わり、お昼の時間になった。

誰と食べようかなぁと思案していると、肉屋の双子のヴァレリーとアイザイヤが校庭の大きな木の下に2人で座っていた。


いつもお昼はエイミーもいるのに、2人なんて珍しい。

「ヴァレリー、アイザイヤ、2人でどうしたの?エイミーは?」

「エイミーは今日は食べないんだって」

「マイルズにお父さんに似てきたって言われてショックを受けたんだよ」

「お昼に少し食べるくらいで、父ちゃんみたいにならないよ」

「そうよ。お父さんは鍋の底まで食べるって母ちゃんは言ってるわ」

「僕たちは沢山動くから沢山お腹が空くんだ。父ちゃんだって肉の解体には力を使うから沢山食べるんだ」

「じゃあ、エイミーは食べなくていいってこと?私たちみたいには動かないものね」


な、なるほど。エイミーは体型を気にしているんだね。


「でも、まったく食べないんじゃあ午後の授業もがんばらないよね」

「そうだねぇ。お腹空いちゃうね」

「お腹の音が聞こえちゃうね」


「うーん」


とりあえず蒼白な顔をしたエイミーを教室から連れ出し、ヴィンス、ミリー、カオハガン兄弟を集めて、みんなでお昼を食べることにした。


エイミーは断固として食べない決意だったけど、どうにかみんなで説き伏せて、最終的に「僕はこのお弁当で太ったことはない!」と言う細身のヴィンスの鶴の一声で彼と丸ごとお弁当交換をする事になった。

お昼ご飯抜きを硬く決意した乙女でも、目の前の食べ物の誘惑には勝てないようだ。


「何この野菜!美味しい!」

今日のヴィンスは細長く切った野菜と、オムレツサンド。

「最近の父さんはスパイスや、スープストックにはまってて、今では野菜を干して乾燥のスープストックまで自作できないか試してるよ。たまに凄く変な味の物もでるけどね!今日はどんな味なのかって思うと楽しいよ。その野菜もスープストックで味をつけているはずだよ」

「オムレツもフワフワだし、パセリの風味が美味しい!!レビさん天才ね。私、今までお芋以外の野菜は好きじゃなかったけど好きになりそうだわ。」


「エイミーは全然太ってないよ」

「うん!痩せ過ぎな位だよ。」

カオハガン家の2人も、双子と交換した肉屋のコロッケを食べながら言う。

「確かにエイミー達のお母さんよりは、お父さんに似てると思うけど体型の話じゃないと思うよ」

「うーん。ありがとう。でも、なるべくお父さんと同じものは食べないようにするわ。心配かけてごめんね!ちょっと、私おかしかったね」


やっぱり美味しく食べるのが一番だよね。

「お母さんてどんな人なの?」ふと気になり聞いてみる。


「お母さんはね、全然食べないよ。」

「お父さんより怖いよね」

「ノラも家にくれば見れるわよ。今度誘うわね。」

怖いお母さんなのかな?


しかし、11歳とはもう体型を気にするお年頃なんですね。


食後にマイルズにやんわり抗議しておいたけど、やっぱり体型の事を言うつもりじゃなかったみたい。


エイミーは野菜の美味しさに目覚めたようで、ヴィンスとエイミーのお弁当交換はしばらく続き、心なしかヴィンスの身長が伸び始めた。

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