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50.レビさんの気づき

カレーにセロリとレビさんが練習で切った野菜も入れてしばらく煮込んだものを、小さなスープ皿に入れて試食会をする。


「全然ちがう!さっきより深みがましたね」

「あぁ。こっちのがなんていうか…違うな」

「違う野菜で作れば、また味も変わるみたいですよ。」


ついでに二人にバターと小麦粉を炒めたものにスパイスとジャムなどを加えるとろみのあるカレーの作り方も教えておいた。


「ベシャルメソースの作り方の途中と一緒ね」

「?」

「あぁ、それに具材を入れてホワイトシチューを作っても美味しいですよね」

「どうやって作るんだ?」


ルーの作り方からホワイトシチューの作り方までソニアさんが口頭で説明するので、レビさんがメモを取り始めた。

ついでに、旨味成分の大切さをコンコンとレビさんに説く。

レビさんは真剣な表情で聞いている。


美味しいものは美味しいと感じるので、味音痴なのではなく本当に作り方がわからなかったのだろう。

聞けばレビさんの奥さんはこの村に来る前に病気で亡くなってしまったそうで、村の開拓や仕事を軌道に乗せる為に日々を忙しく過ごす中で、ヴィンスだけは健康に育てないとと思い食べ物だけは気を使いたかったんだそうな。ヴィンスは死んだ奥さんに似ているのでとても心配しているみたい。

だから野菜?


「祖父が言っていたんですけど、適度なお肉や卵も食べないと健康を損なうみたいですよ」

「なるべく朝と夜は食べさせている。あんまり食べない」

「どうやって調理しているんですか?」

「…茹でたり焼いたりしてる。あとオムレツ」

「…」

「わかっている。いや、今わかった。」

「普通でいいんですよ。ベーコンと野菜のスープでもベーコンの美味しさがスープに染みるし。」

「そうそう。日常生活も日々勉強よ。来れて良かったわ。私はもう仕事に戻るよ」

「あ、じゃあ私も帰ります」

「あぁ」

なんか色々と考え込んでいる表情だ。

普通が一番だよ!レビさん!思いつめないで。


レビさんの家を出た後、ソニアさんからお茶の誘いを受けたので、食料品店にもう一度入った。

住居ではないが、カウンターの中に簡易コンロがあるようだ。

コンロでお湯を沸かし、ティーポットにミントと茶葉を入れて抽出した液体に砂糖をたっぷり入れて出してくれた。

湯気でソニアさんのメガネが曇ったので、拭く為に外したソニアさんは、はっきりくっきりとした顔立ちのものすごい美人だった。



絶対に近いうちに家に遊びに来てほしいと、熱烈にお誘いを受け、お店を出る時に「レシピのお礼よ」と言って、薄いパイ生地の中にスパイスと砕いたナッツや蜜で作った詰め物がどっしりと入ったお菓子を袋にいれてお土産にくれた。


家に帰って祖父と食べたら、今まで食べた事のない甘さにびっくりしてしまった。

紅茶を濃いめにいれて、ミルクと砂糖を入れずに、そのパイと食べるとちょうどいいみたい。

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