47.午後の教室です
お昼の休憩が終わり、午後の授業が始まる。
午後もそれぞれ違う課題を与えられて行なっている。
ミリーは文字の練習をしていて、私はウィル先生から出された足し算と引き算の計算問題をしている。頭が良くないとはいってもさすがに、足し算引き算はまだ余裕がある。
先生が通り過ぎてから後ろを振り向き周りを窺ってみと、丁度エイデンが先生と真後ろにいるマイルズに気付かれないように、通路を挟んで隣の席に座っているヴァレリーにメモ用紙のような物を渡している所だった。
ヴァレリーは中身を見る事もなく、そのまま後ろのベスへと紙を回し、ベスは1番後ろにいるキャシーへと紙を渡した。
キャシーはそっと紙を開くと恥ずかしそうな表情でエイデンに目を向ける。
エイデンもこっそり後ろを振り返る。
うーん、青春の匂いがします。
先生がこっちに向かってきたので、慌てて計算を解くけど、先生は軽く私の頭に拳骨を落としてきた。
「よそ見をしないように」
罰として、1+2+3+〜省略して〜+100の問題が出された。
ふふふ、甘いな先生!ガウスの計算式で計算しておきました。
これはこの間お祖父さんが新聞を読んでいるときに数学の記事を読んでくれたのを聞いて、こんなアルゴリズムが前世でもあったよなぁっと思い出していたの。
先生も新聞を読んだのかな。
先生は、一個ずつ計算している可愛い私が見たかったようで、少し悔しそう。
午後の休憩時間になり、リッキーとマイルズの二人組に声をかけられる「おーいノラ!父ちゃんに学校でノラに会ったらもっと遊びに来いって伝えるように言われたよ。ミリーもな。何も買わなくったって遊びに来ていいんだから」
「うちはリッキーみたいにお店を開いている訳じゃないから会う機会はなかったね。僕はマイルズ・ゴードンだ。キャシー!噂のノラともう話したか?ちょっとこちに来いよ」
マイルズがお兄ちゃん風を吹かしてキャシーを呼びつける。
「これが妹のキャシーだ」
「リッキーのアイドルのノラね。リッキーはいつもノラって子のおかげでお昼ご飯が美味しいって自慢してくるのよ」
「あれは確かに美味しかったよ。だが背徳的な味だ。」
「うちのパンに挟んで食べても美味しい」
「それも美味しそうだなー。揚げたてが1番だけどなぁ」
「パンに細く切ったキャベツとケチャップを塗って、コロッケでもメンチでも入れると美味しいよ」
キャシーと交えてしばらく話したけど、マイルズは普通に気のいいお兄さんだった。
ちょっと年頃にしては妹に構い過ぎな気もするけどね。
ブッチャーさんちの兄妹は揚げ物談義が聞こえてくると、照れ笑いをしていた。
教室内は終始明るい雰囲気だったけどカオハガン家とゴードン家の子供達はお互いに口を聞いていなかった。




