39.男たちの卵料理
今日は、珍しく祖父と行動を共にしている。
というのも、ローラさんの所からは洋服と靴が、レビさんの所からはフードチョッパーが出来上がっていたのに私の身体で一度に持って帰って来るのは大変だからと先延ばしにしてしまっていたからだ。
私の体力もつき、大人と同じくらいの歩幅で歩けるが、重い物は重い。
あまりにも早く歩くので祖父も驚いている。
良く出かけていたのが良かったみたい。
私のあげた落ち着いた色のスカーフと、ミトンをつけた祖父はお上品な紳士に見える。
何を着ても品があるけどね。
まずはレビさんの所へフードチョッパーを受け取りに行く。
「ここを引っ張れば刃の交換ができる。この穴の空いた刃に交換すればクリームも直ぐに泡立つ。試作の時に試してみた。」
「このハンドルを引っ張ればいいんだね?レビ、今試してみたいんだが、何かないかな?」
「自分の家で試せばいい。まぁ別にいいが」
レビさんの家で、祖父が興味津々にフードチョッパーの使い方を聞いている。レビさんが卵を3個ほど持ってくると手早く卵をフードチョッパーに割り入れた。
「うむ、引いてみるとしよう」
祖父が慎重にハンドルを身体の方向に引っ張ると、刃が高速回転を始める。
手の力を緩めると、ハンドルに繋がったケーブルは自動で巻き戻って行った。
「すごいじゃないか。もう卵が混ぜ合わさっているね」
「お祖父さん、何回かやると卵が白っぽくなるよ。」
「ふむ、もう少しやってみよう」
ブーン、ブーン、ブーン
と祖父がハンドルを引いていくうちに、共立ての卵が出来上がった。
「その卵はどうやって料理する?」
「うーんと、お菓子ならスポンジケーキにしたりするけど、お料理ならオムレツや、野菜と一緒にオーブンで焼いても美味しいと思います。」
「それはいいね」
祖父が嬉しそうだけど、これはレビさんの卵なのでお家で作ってあげるね。
「野菜と焼くのか?」
「野菜と、チーズとクリームもあれば美味しいと思います。レビさん、今焼いちゃいますか?」
「いいかの?」
レビさんに材料を出してもらい、祖父に指示を出し、卵液にカリフラワーや、ブロッコリー、クリーム、塩胡椒を入れてハンドルを引いてもらう。
全ての材料が液状になったら、型に入れチーズを振りかけて強めのオーブンで中に火が通るまで焼く。
これだけで、スフレキッシュの出来上がり。
フードチョッパーすごい。
「オムレツはどうするんだ?」
レビさんはオムレツも作りたいみたい。
フライパンに油いれ熱を入れる。
塩胡椒をして、フワフワにした卵液を熱したフライパンに一気に流し入れ、卵にフツフツと穴が空いてきたら蓋をする。
全体に火が通ったら卵を半分に折りたたみ、トマトソースかケチャップをかける。
何故だか、レビさんも祖父もやりきったような満足気な顔を浮かべている。
食べていかないかと誘うレビさんに、自分の家でも作るからと辞退してレビさんの家を出ます。
ご覧くださりありがとうございます。小説を書く事で生活に張りがでた気がします。




