40.新しい洋服のお披露目です
レビさんの家を出て向かいの雑貨屋さんに入ると、今日はマスターだけがお店にいる。
「ジョンさんと嬢ちゃんか。ジョンさんは久しぶりだな。」
「複雑な家具の彫刻を依頼されていてね、当分かかりきりになりそうだよ。春になったら牧の仕事もあるから、冬の間に手仕事ができるのはありがたいね。」
「落ち着いたら、うちの仕事机も頼むかな」
「あぁ、待ってるよ」
「ほれ、これが嬢ちゃんの靴だ。服はそこにあるから今出すな。靴を履いて歩いてみな」
赤茶色の靴を触るとしっとりと柔らかく、靴の中は動物の毛がモコモコついていて暖かそうだ。靴底には滑り止めの小さな鋲が沢山ついている。
そっと足を入れてみると毛皮のモコモコが足に吸い付いてくるようだ。
少し歩いてみる。
ずっと自分の靴だったかのようにしっくりくる。
「すごくいいです!」
「履いているうちにもっと馴染んでくるからな。」
マスターが靴を包みながら、祖父と話しているので、少し手持ち無沙汰になった私が窓の外を見ているとローラさんがレビさんの家の前に立っているのが見えた。
すぐにレビさんがドアを開けて、ローラさんに蓋付きの深皿を手渡している。
ローラさんが蓋を少し上げて、何かレビさんに質問しているようだ。レビさんが何か答えると、直ぐに家の中に戻り、フードチョッパーを持ってくるとローラさんに渡した。
自分用に作っておいたフードチョッパーのようだ。
おやおやおやおや。なんかいい感じなのかな?
恋愛方面は疎いほうなので全然わからないけど。
ローラさんがこっちを振り返りそうだったので、視線を外して祖父の側に行く。
ローラさんは店の中に入り、祖父と私に挨拶し、奥に荷物を置くと直ぐに店内に戻ってきた。
「良かったわ!間に合って!!早速着てみてちょうだい!」
白い大きな立襟の臙脂色のワンピースは、肩から腰にかけてワンピースと同じ生地のフリルが付いていて、腰からふんわりと膝下丈のスカートが広がっている。
服に合わせて、ローラさんが私の髪の毛を編み込むと、布製の赤い花と濃い緑の葉のモチーフのヘッドドレスを被せた。
芥子色のワンピースは一色で統一されているが、袖が肘下まで大きく膨らみ、スカートは大きくギャザーが入れてあるので、落ち着いた色味であるにも関わらず、子供らしい可愛さがしっかりと出ていた。
こちらはシンプルな黄色の花が一輪ついたヘッドドレスと合わせてくれる。
お披露目された私に一同ため息。
祖父はもちろん手放しで褒めちぎり、ローラさんも他の色も着せてみたいとその場でデザイン画を描き始めるし、マスターまで、冬咲く花の妖精のようだな!と言ってくれた。
マスターの褒め方に語彙力があるので、驚いた。
祖父はヘッドドレスを数点追加で購入してくれた。
普段使いの洋服のはずなんだけど大げさになっちゃったな。




