33.雑貨屋での出会い
叔母に手紙を送って2週間経ったけど、返事はまだきていない。
紛失しちゃったのかも!と不安になったけど、そういえば仕事に行くって言っていたので読んでないだけかもしれない。
気長に待とう。
パン屋さんにはあれから何度か遊びに行き、すっかりミリーとは仲良しになった。
ミリーは同い年なのに、子供らしい純粋な一面もありながらも大人びていて、騒いだりもしないので一緒にいて落ち着く。
でもミリーはすぐに眠くなってしまう体質のようで、ミリーの家の周りでしか遊んでいない。
ジナさんは、ミリーと比べてノラは落ち着いていると言ってくれるけど私は大人なのだ。
ミリーの家に行くと、パン作りを一緒にさせてもらったり、秘伝の酵母も分けてもらったので将来パン屋さんになれそう。
そうそう、祖父の手作りのクローゼットもできあがり、私の部屋の一番のお気に入り。バラ科の木苺がドア一面にハイレリーフで彫ってあり祖父の私の家具へのこだわりが感じられました。
もはや芸術。
さて、今日の私はまたお使いです。
村の真ん中らへんにある、雑貨屋にお金を払いにいって欲しいんだって。
お祖父さんの靴を雑貨屋さんに頼んでいたのが出来上がっていたみたい。
「そこのお店にはおじさんと若い女性がいるから、私の靴のお金と言えばわかるよ。私の靴は重いから、持ってこれたら持って帰ってきてもいいけど、お金だけ払ってくれればいいからね。靴は急いじゃいないんだ。何か欲しい物があればノラも注文してきてもいいからね。この村の人はみんな知り合いだから、安心していいよ」
「私は最近、たくさん動いてるから力もついてきたんだよ。パンも捏ねるしそのうちお祖父さんのお仕事も手伝うからね」
「頼もしいね。力がついてきたのは元気が出てきた証拠だ!とてもいいことだね」
今日の私は、秋も深まり寒くなってきたのでパフのついた長袖の珊瑚色の生地に白の小花柄が入ったワンピース。
ドロワーズも履いて、白い靴下も履いて、茶色の革靴の可愛い女の子ファッション。
「暗くなる前には帰るんだよ」
私の首にストールを巻きながら言う祖父に返事をして、雑貨屋に向かった。
祖父の家を背にして真っ直ぐ行き、二つめの十字路を右に曲がると、横に長い建物がある。
曲がってすぐは食料品店、二つめは肉屋、そして三つめが雑貨屋さんと商店が並んでいる。
興味深く、食料品店と肉屋を通り過ぎ、真っ直ぐ雑貨屋に入って行く。
「いらっしゃい」
室内のカウンターの手前にいた若い女性が声をかけてくれる。カウンターの奥では年配の男性が何かの作業をしながら、先にいた子供連れの男性と話している。
店内の棚にはカップやお皿、鍋などの台所用品の他にも薬や包帯、数種類の釘や、ボタン、布製品、蝋燭や石鹸油などがところ狭しと陳列されていて、棚の右側には衣類など、左には皮製品が並んでいた。
食料品以外なんでも揃いそうな品揃えだ。
先客の身なりの良い男性と、一緒にいた息子さんが私に声をかけてくる。
「こんにちは、君がジョンさんのお孫さんだね。」
「こんにちは」
「こんにちは。ノラといいます。今日はお祖父さんの靴のお金を払いに来ました。持って帰れたらす持って帰ります。」
挨拶ついでに、お店の人に用件が伝わるように言ってみた。
「それは偉いね!私はジェイソン・カオハガンです。この子はエイデンと言って、11歳だ。うちにはもう一人8歳の男の子がいるんだ。今度遊びにおいで。みんな喜ぶよ。」
エイデンもお行儀よくにこにこと頷き、残念そうにいう。
「僕たちはもう帰るところなんだ。家に帰ってお母さんのお手伝いをしなきゃいけないからね。」
「今度、ぜひ遊びに行かせてください」
私もお辞儀をし、お別れをし、彼らがお店を出ようとすると、表から扉が開いた。
新しいお客さんのようだ。
最近は読んでくれている方が増えてきたようで嬉しいです。




