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25.ドーリングから祖父の村へ

楽しい汽車の旅はドーリングに着いた事で終わりを迎え、ホームに降り立ち空気を吸い込むとアイビースタウンとは違う匂いがした。


ドーリングの南には大森林が広がり、開拓中の地域ではあるが、ドーリング付近は石油の恩恵を受け既に栄えている。ドーリングの駅から降りるとすぐに工業地帯になっている。


他の地域よりもここら辺は税金が安く住みやすいので、他の地域から移住してくる人も多いらしい。

工業地帯のような所を抜けると今度は住宅街になり、住宅街を抜けると市場が立つ開けた場所に出た。


出店には色とりどりの旗が飾られていて、緑や白に塗られた荷台が置いてある。

広場の中心には、大道芸人や演奏家が家族連れを相手に芸や音楽を披露し、花売りの女性はデート中の男女に、彼女の為に花を買わないかと声をかけている。青空理髪店のお兄さんや、靴磨きの男の子。

お酒のビンを片手にベンチに座り、楽しそうに酔っ払ってる人たち。

町の人々の表情はみんな明るくキラキラしている。。

ふと、祖父の顔を見上げれば、同じようにキラキラと輝く瞳が見える。


美味しそうなペストリーや、ソーセージ屋さんなどの出店もあったけど、それらの飲食店には立ち寄らず、町の出入り口にある、馬屋さんに預けていた祖父の馬を迎えに行く。

お腹いっぱい食べたしね。


祖父の馬は、月毛の大きな馬で祖父が帰って来たのが嬉しいのか祖父に顔を寄せている。

丁寧にお世話をされていたようで、毛並みが綺麗だ。


馬と馬車をつなぐ為にハーネスを取り付けて、村を出た時と同じように座席に荷物を置いて、私と祖父は馭者席へ乗り込む。

お馬さん、よろしくね!


祖父とポツポツと会話をしながら目的地へと向かう。

ドーリングから出ると、平野が広がり、しばらく行くと草原になり、さらに進んでいくと目視で大森林が確認できる。広葉樹が多いみたいで、オークやウォルナットは私でも見たことがあるのでわかるけど知らない木の方が多い。

気になる木。


「あそこが私たちの暮らしているところだよ」

と祖父が森林方向へと指を指し示す。

わお!森林の中で暮らすみたい!!


森林を通る頃には辺りは暗くなりはじめ、念のためにランプを灯しながら行く。

意外なことに森林の中には馬車が通れるよう、広く舗装された道があり、その道をしばらく行くと大きく開けた場所に出た。

しっかりとした囲いで覆われた村だ。

私が住んでいた村よりも、かなり大きいようだ。

入り口には松明が燃えていて、大きな木の一枚板の看板が照らされている。


覚えたての字で看板を読むと、ジョンズヴィレッジと彫られている。

ジョンズヴィレッジ

すなわちジョンの村


よくある名前だけども、祖父の名前もジョンでしたね。

思わず祖父を見上げてしまう。


「仲間と開拓したんだよ。」

祖父はニコニコと笑いながら言う。


祖父は開拓者でした。

今年最後の投稿です。来年もよろしくお願いします。

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