19.アップルコーヒーケーキを作りました。
リアムの来訪から、一息ついた私は窓の外に目をやり、出がらしの紅茶とは呼べない程に薄い茶色の液体を飲みながら、今後の行く先を案じ、ため息を吐くのだった。
「カボチャ料理も綺麗になくなったわね。」
叔母はリアムへのおもてなしの後片付けをしながら、嬉しそうに言う
「すごい食べっぷりだったわね!」
「叔母さんの料理が美味しいからだよ」
「嬉しいわ」
「どうして、そんなに沢山のお料理がつくれるの?お母さんはいつも同じ物しか作らなかったよ」
まったく一緒ということはないが、似たような感じだった。
「あなたのお母さんは、もともとそんなに食べない人だしね。食べ物に興味がないのよ。叔母さんはお仕事で色々な所に行くから、その時に美味しい物を沢山食べて、自分でも作ってみるの。」
美人で、仕事もできて、料理上手。世の男性が放っておくはずがないのに。
見る目がないのかな。
「さてと、窓辺に座って、物思いに耽る5歳児も素敵だけど、折角一緒にいられる時間だもの。まだ時間はあるし、一緒にお菓子作りなんていかがかしら?作り置きもなくなってしまったし!簡単にできる、アップルコーヒーケーキはどう?」
紅茶がないからコーヒーなんですね。
アップルティーケーキとかも美味しそう!
ため息ついても仕方ないしね。
机に、りんご、ピーカンナッツ、小麦粉、重曹、シナモンパウダー、バター、ブラウンシュガー、たまご、サワークリームなどを用意しました。
「ノラはこの粉達を混ぜておいてね」
と言うと叔母はりんごを角切りにして、ナッツを細く刻んでいく。
バター、砂糖、たまご、サワークリームを泡立て器で物凄い速さで混ぜ合わせると、ヘラに持ち替えて私が混ぜた粉類をふんわりと混ぜる。
そこまで終わると、私にボールを渡して選手交代。
重くなった生地を混ぜるのは大変だったけど
均等にりんごとナッツも加えて、切るようにざっくり混ぜた。
厚みのある丸い型に流し入れたら、少し高い所から型を落として空気を抜いて、シナモンパウダーを振りかける。
そして、出来上がった生地を叔母はそのまま薪ストーブへ入れてしまった。
あれ、コーヒー入れないの?
うっかりさん。
「コーヒーと一緒に飲むから、アップルコーヒーケーキなのよ。」
叔母はアップルソースを作る為に、薄く切ったりんごと、はちみつを鍋に入れて煮詰めている。
「ノラにはコーヒーはまだ早いけどね。コーヒーと一緒に食べると美味しいのよ」
良い匂いが部屋中に漂いだし、叔母はうっとりと言う。
焼けたケーキはケーキクーラーに乗せて冷まします。
さてと、机の上を片付けますか。
いい子だったのに、サンタさんがきません




