16.叔母の家7日目 ノラの家にいきました。
今日も少し風はあるけど、気持ちのよい朝です!
カボチャスープが身体に染み込みます。
明日にはこの村を出るのかぁ。
ノラはまだ小さくて、昔の記憶はぼんやりとしか思い出せない。
最近の記憶しかないから、私にはなんの感慨もない村だけどね。
むしろちょっと嫌な思い出が多め。
「ノラ、私はこの後忘れ物がないかを見にノラのお家にいくから、一緒にいきましょう。もしよかったら。」
塩味のカボチャパンに、カボチャのジャムをつけながら叔母が言う。
「うん、一緒に行くよ」
最後だからね。ノラも私もしっかりと向き合わないとね。
お出かけ用の服に着替えて、手をつないでテクテクと家まで歩く。
握った手を叔母さんが指先でくすぐってくるので、手を離してしまう。
「お出かけの時は手を繋がなきゃだめよ」
とまた握っては、くすぐってくる。
「綺麗なお花ねぇ」
「きれいだねぇ」
歩きながら脇を見ると、若々しく、緑色だった木々も、よく日に当たる上の部分は薄っすらと赤く色づき始めている。
足元にはまだ、色とりどりの花が咲き、優しい風に揺られている様がお辞儀をしているようで、私の散歩を歓迎してくれているみたいだ。
思わずにっこりしてしまう。
しばらく歩くと、ノラの家に到着した。
こうしてみてみると、なかなか趣のある素敵な家だわ。
小さいながらも手入れが行き届き
壁は白くて、三角屋根は薄い赤茶色。
叔母が鍵を開けて中に入ると、少しだけ埃が舞う。
「換気をしましょう!」
叔母が荷物を置くと腕まくりを始めた。
叔母がすでに私の荷物も持ち出してあったので、最初から物も少なく、すっきりとしていた家は今はもう家具以外のものはほとんどない。
叔母がリビングの窓を開けている間に、私は1人でノラたちの寝室に入ってみる。
少しだけ母親の香りがする気がする。
懐かしい香りを吸い込むと、寝る前にお話をして、とノラがせがんでいる時の優しげな母親の表情や、宝物のように優しく頭を撫でられる感触、料理は好きじゃないのにノラの為に台所に立ち料理をする母親の姿が蘇る。
ノラの記憶と共に、触れられたくない部分の私の記憶さえも蓋が開きそうな感覚に襲われ、感情が揺さぶられる。
懺悔と後悔の念。
謝罪しても泣いても仕方ないんだけど
叔母が見ていないうちに少しだけ泣く。




