12.地理を少々勉強します
ご覧いただきありがとうございます。
電報は母親からではなかった。
父親の父、私の祖父にあたる人からのようだ。
母親と叔母には近しい親戚がいないらしく
私の預け先を見つけるために、
どうにかこうにか祖父の住所を調べて連絡を取ったそうだ。
その返事を祖父が送ってくれたのだ。
祖父は何日もかかる位、遠くの都市部に住んでいたのだけど、
そこからお引越しをしていて
現在は、幸運な事に私たちの村から遠くない所にすんでいるらしい。
とはいっても汽車で何時間もかかるみたい。
「私たちが住んでいる所はハンクトン島と言って、この帽子のような形をしている所よ。この間行ったアイビースタウンのこの場所から繋がっている大きな橋を通る汽車や、この場所にある港にやって来る船を使って、シュベック国の本土と行き来できるのよ」
叔母の家にある地図をみせてもらいながら説明をうける。
全然地図のスケールがわからない。
ハンクトン島は茨城県くらいの大きさかな。
本土と比べたらすっごく小さい。
「ノラのお祖父様は本土の西にあるこの地域でお祖母様と暮らしていたんだけど、現在はこの場所でお一人で暮らしているみたいね」
叔母の指が、地図上の私たちのいる場所から左下に丸を描いた後、右上を指差す。
祖母はどうしたんだろう?
「このお祖父様のいる村はこの村と比べたら暖かくて、すごく田舎って程でもないから過ごしやすいはずよ。アイビースタウンから出ている汽車に乗って、お祖父様が住んでいる村の近くの駅がある町、ドーリングに着いたら、その後は馬に乗って行く事になるわね。そんなに離れた所でなくて本当に良かったわ」
続けて叔母が涙ぐみながら言う。
「ごめんなさいね。本当に本当に一緒に暮したいんだけど」
こちらこそごめんなさい。私も叔母さんと一緒にいたいよ。
叔母には、仕事の依頼がきていたのに、引き伸ばせないか交渉していたみたい。
これで叔母も仕事が再開できるね。
叔母が泣いているので、私まで少し泣けてきた。
叔母に抱きしめられているうちに、本能に勝てず寝てしまったけどね。
子供の身体だから。寝落ちは子供の特権です。




