第3章:ディーンと代々伝わる伝統?
今、アオイフェの家は、それぞれの忙しさで満たされていた。
ガーヴァンおじいさんが暖炉に火をつけ、
モリガンお母さんが食事の片付けをし、
アオイフェはできる限りお母さんを手伝っていた。
モリガンお母さんは最後の皿を置き、アオイフェの方へ振り返った。「アオイフェ、ありがとう。手伝ってくれて。もうおじいさんのところに座っていいよ」
「うん、どういたしまして、お母さん」アオイフェは小さく走って椅子へ向かい、おじいさんの隣に座った。
「おじいちゃん」アオイフェはガーヴァンおじいさんを見つめた。
「よし、おじいちゃんはディーンと教会の話をするって約束したよね。じゃあ、今から話してあげる」ガーヴァンおじいさんは言った。
ガーヴァンおじいさんとアオイフェは、座り心地がよくなるように姿勢を直した。その後、アオイフェは集中して聞き入った。
ガーヴァンおじいさんは説明した。「こういうことだよ、アオイフェ。子どもが十一歳になると、六月の中頃に教会で行われるディーンの授与式に参加するんだ。そして、七月の初めが学校の入学日だよ」
「そうだったんだ、おじいちゃん」アオイフェは頷いた。
「でも待って、おじいちゃん。ディーンって何か、まだ説明してないよ」アオイフェは、立って行こうとするガーヴァンおじいさんを止めた。
「ああ、そうだったな」ガーヴァンおじいさんは、痒くもない頭を掻いた。「えっとね、アオイフェ。ディーンは、人の身体の中にある自然の力で、操って身体の外に出すことで自然の元素に変えられるんだよ」ガーヴァンおじいさんは説明した。
アオイフェは頷きながら聞いていた。
「ディーンには使う限界ってあるの?」アオイフェは訊いた。
「あるよ、アオイフェ。人の身体のディーンのエネルギーが大きいか小さいかは、生まれたときから決まってるんだよ」ガーヴァンおじいさんは言った。
「じゃあ、ディーンって、好きなときに使える自然のエネルギーみたいなものなんだね」アオイフェは言った。
「その通り、アオイフェ。操り方や使い方は学校でさらに教えてもらうよ」ガーヴァンおじいさんは言った。
「学校? さっきおじいちゃんも、学校の入学日は七月の初めって言ったよね」アオイフェは訊いた。
突然、モリガンお母さんが二人の方へ歩いてきて、会話を遮った。「そうだよ、アオイフェ。あなたは今年、学校に入るんだよ」
「ノウカとフィンも一緒に学校に行くよ、アオイフェ。あの子たちももう十一歳だからね」ガーヴァンおじいさんは言った。
「本当だね、じゃあ私たち同じ学校に行くんだね」アオイフェは言った。
「お父さん、あともう一つ説明しなきゃいけないことがあるでしょ?」モリガンお母さんは言った。
「そうだったな」ガーヴァンおじいさんは言った。「アオイフェ、教会でディーンを受け取って、感じられるようになったら、特別な紙をもらうんだよ」
「紙?」アオイフェは訊いた。
モリガンお母さんは紙を取り、ガーヴァンおじいさんに渡した。
「え? それがその紙なの?」アオイフェは訊いた。
「違うよ、アオイフェ」ガーヴァンおじいさんは答えた。「これは見本なだけだよ」
「ああ、そうなんだ。でも、何の見本なの?」アオイフェは言った。
モリガンお母さんはアオイフェの隣に座り、その肩に手を置き、もう一方の手でガーヴァンおじいさんが持っている紙を指差した。
「それは、属性適性紙の見本だよ」モリガンお母さんは言った。
ガーヴァンおじいさんは、小さな風の魔法で紙を二つに切った。
切れた紙を指差しながら、モリガンお母さんは言った。「もし、あなたの紙がああやって切れたら、あなたの属性は風の元素ってことだよ」
「属性?」アオイフェは訊いた。
「そうだよ。属性は、あなたのディーンに一番合った自然の元素のこと。つまり、一番得意な元素ってことだよ」モリガンお母さんは言った。
「それに、魔法の授業が学校全体で真剣に始まったのは、お母さんの世代から試しに始まったんだよ」ガーヴァンおじいさんは言った。
「風以外に、他の元素はあるの?」アオイフェは訊いた。
「風以外には―」モリガンお母さんが言いかけたところで、ガーヴァンおじいさんがその口を塞いだ。
「だから、まずはおじいちゃんの話を聞きなさい。ほら、お母さんは人の話を遮るのが好きなんだよ」ガーヴァンおじいさんは言った。
「属性は、他にもあってね。
雷=紙が縮れる
水=紙が濡れる
土=紙が砂になる
火=紙が燃える
光=紙の隅々が切れる」
「ああ、そういうことなんだ」アオイフェは言った。
「でもね、アオイフェ」ガーヴァンおじいさんは言った。「六つの基本元素の他にも、知っておかなきゃいけない紙の反応がもう一つあるんだよ」
アオイフェはすぐに顔を向け、おじいさんを見た。「他にもあるの?」アオイフェは訊いた。
「六つの基本元素はそれだけだよ。でも、最後の特別な紙の反応は、その人のディーンがまだ安定してないってしるしなんだよ」ガーヴァンおじいさんは言った。
「紙の反応はどうなるの、おじいちゃん?」アオイフェは少し緊張しながら訊いた。評価のときに、ディーンがまだ育ってないせいでダメになる可能性があるからだ。
「おじいちゃんはまだ話し終わってないよ。その特別な反応には、二つの意味があるんだよ」
「え? 二つの意味?」アオイフェは訊いた。
「そうだよ。二つ目の意味は、




