第14話 イーファのための花冠
「そうよ! 早く私に花冠の作り方を教えてよ。見て、お花がたくさん咲いてるわ」とフィオナが言った。
「こうやって見ると、さっきの場所はただの坂道っていうより小さな丘みたいね」とノウカが言った。
四人は並んで歩き、さっきの場所へ戻るために小さな坂を登っていった。
歩きながら、ノウカは道端の花をいくつか摘み取った。
さっきの場所に着くと、ノウカはすぐに腰を下ろし、何かを編み始めた。
「何を作っているの、ノウカ?」とイーファが尋ねた。
「みんなのために花冠を作ってるのよ」とノウカが答えた。
「それなら、私には黄色いお花が入ったやつがいいわ!」とフィオナがねだり出した。
「焦らないでよ、こういうのを作るのはそんなにすぐにはできないんだから」とノウカが言った。
「へえ、すごいな。それなら僕にも教えてくれよ、ノウカ」とフィンが頼んだ。
「いいわよ、ほら隣に座って。まずは二つの花を手にとったあと、それからね……」とノウカが説明を始めた。
ノウカは自分の分を完成させる前に、フィンの花冠作りを手伝ってあげた。
数分後。
「はい、ついに完成! イーファのための花冠よ」とノウカが声を弾ませた。
「私に?」とイーファが尋ねた。
そこへフィオナが、かなりの種類のお花を抱えてやってきた。
「ねえノウカ、この黄色と白のお花で私の花冠も作ってよ」とフィオナが頼んだ。
ノウカはワスレナグサを手にとると、花冠のすき間にちょこんと挿し込んだ。
「ほら、どう? 素敵でしょ」とノウカが尋ねた。
彼らはノウカが作った花冠に見入った。フィンに至っては、作りかけの自分の花冠を一旦脇に置いたほどだった。
ノウカの作った花冠はキンポウゲの4本の茎で編まれており、花びらが全体にあしらわれ、ワスレナグサがまるで散りばめられたかのように花冠全体に添えられていた。
「ノウカ、すごく上手だな。こういうの、誰に習ったんだ?」とフィンが尋ねた。
「言ったでしょ、大切な人に教わったのよ、へへっ〜」とノウカが答えた。
「ふーん、怪しいわね。それなら早くこの黄色いキンポウゲと、この黄色いタンポポで私の花冠を作ってちょうだい」とフィオナがおしゃべりを続けた。
「ちょっと待って、今から儀式をするんだから」とノウカが言った。
ノウカはその花冠を手に取ると、座っているイーファの後ろへと回り込んだ。
そしてノウカは、イーファの頭の上にそっと花冠を載せた。
「どう? 似合ってるでしょ」とノウカが尋ねた。
「むぅ……私だって欲しいわ! お兄ちゃん! 私たちもイーファお姉ちゃんとノウカの花冠に負けないくらいすごいのを作りましょ!」とフィオナが鼻息を荒くした。
「はいはい、落ち着けって。それなら茎をしっかり結びつけるのを手伝ってくれ」とフィンが言った。
イーファはノウカの方を振り返って尋ねた。「さっき、枯れた茎を使っていたように見えたけれど」
「そうよ、枯れた茎は柔らかいけど、引っ張って結ぶ時は普通より頑丈になるのよ」とノウカが言った。
「それなら、私の花冠にも別のお花を追加してほしいわ。あのシャクヤクの花みたいに」とイーファが言った。
「げっ、注文が多くなってる……はいはい、分かったわよ」とノウカが言った。
ノウカがピンク色のシャクヤクの花を編み込み始めると、
「村にある全てのお花を記録した本を書くのも面白そうね」とイーファがぽつりと言った。
「あたた……失敗しちゃった」とノウカが漏らした。
ノウカはすぐにもう一輪の花を取り出し、イーファの花冠にしっかり固定しようと試みた。
「そして……完成だ! 僕の作った花冠を見ろよ」とフィンが声を張り上げた。
「ふんっ、まあまあねお兄ちゃん。ねえノウカ、私の花冠を見てよ」とフィオナが言った。
フィオナの花冠はたくさんのサクラソウとキンポウゲで作られており、花びらが冠全体を埋め尽くしていた。
「良いチョイスね、フィン。知識も大事だけど、こういう綺麗さで一番大事なのは飾りじゃなくて『つける人』なのよ」とノウカが言った。
ノウカはフィオナの花の山の中からノイバラの花を一輪拾い上げた。
アンド、ノウカはそのノイバラをイーファの左耳にそっと挿した。
「ほら、どう? 綺麗でしょ」とノウカが言った。
イーファは自分の耳元にあるノイバラを見ようと顔を背けた。耳元に飾られたその花を見て、イーファの頬がほんのりと赤らんだ。
「耳にこんなお花をつけるなんて、なんだかくすぐったいわね。お父さんの本にあったみたいに、ハスの花をつけられたらもっと良かったのだけれど」とイーファが言った。
「えぇっ、まだおねだりするの?」とノウカが突っ込んだ。
「ハハハ、本当に注文が多いな、そうだろノウカ?」とフィンが笑った。
「アンタは黙ってなさいよ、耳にお花を欲しがってる妹の相手でもしてればいいでしょ」とノウカが言い返した。
「ねえお兄ちゃん! 私も耳にそのお花をつけてほしい!」とフィオナがフィンの腕をぶんぶんと揺さぶってねだり始めた。
「まったく、本当にかわいくない……僕だって自分のやつがまだ完成してないのに」とフィンが呟いた。
フィンはフランスギクの花をフィオナの耳に挿した。
「あはは、目玉焼きみたいな花ね……なんだかお腹が空いてきた
今日の投稿が遅くなってしまってごめんなさい、うっかり二度寝(寝落ち)しちゃいました。へへっ〜




