#03 秘匿議事録 中央大聖堂・王立軍合同任務検討会議
議題:《旧聖地ミレイア山における降臨の儀実施計画について》
参加者:
司祭長エドヴァル・第五聖務官リシェル・第七聖務官シド・中央観測局主任ノワ・中央大聖堂書記補佐ルーメン
王立軍参謀総監ラウス・王立軍西方統括卿ユリウス・王立軍補給監ダリオ
◾️事前議題
・聖女フラウィアの旧聖地ミレイア山への派遣について
・降臨の儀実施条件の確認
・同行者選定
・帰還手段の検討
・儀式完了後における対象遺体返還手順の整理
◾️決定事項
・降臨の儀実施承認
・聖女フラウィアの旧聖地派遣決定
・同行者として戦没者遺品返還部所属アルノ・カリエルを選定
・任務形態を単独同行任務として承認
・儀式完了後、対象遺体を速やかに中央大聖堂へ返還
・本任務に関する情報統制を第二種秘匿指定として運用
◾️議事録
司祭長エドヴァル:
これより合同任務検討会議を開始する。
旧聖地ミレイア山における降臨の儀実施について、各部確認を。
王立軍参謀総監ラウス:
まずは当該地域における現状を報告する。
北部第三防衛線は既に崩壊。
ミレイア山周辺は現在、広域魔物支配域に指定済み。
第五聖務官リシェル:
儀式実施猶予は。
中央観測局主任ノワ:
最大で白霜月の末日まで。
以降は聖域反応消失の可能性あり。
司祭長:
儀式は必要不可欠と判断する。
(──短時間、沈黙)
王立軍西方統括卿ユリウス:
本件、聖女本人への説明は。
第五聖務官:
実施済み。
対象は承諾しています。
王立軍西方統括卿:
そうか。
(──以降十数秒間発言無し)
司祭長:
次項。
同行者選定について。
(──書類配布)
中央大聖堂書記補佐ルーメン:
推薦対象、戦没者遺品返還部所属。
アルノ・カリエル。
(──資料確認)
王立軍補給監ダリオ:
年齢。
中央大聖堂書記補佐:
二十六。
王立軍補給監:
若いな。
王立軍西方統括卿:
実績を。
中央大聖堂書記補佐:
単独回収任務従事期間、5年。
魔物支配域内活動記録、計31件。
生還率、100%。
傷病離脱記録、無し。
担当任務における個人識別票返還率、98.7%。
回収目標比、平均 155%
(──沈黙)
王立軍西方統括卿:
……想定回収数比が、平均で155%?
中央大聖堂書記補佐:
はい。
現行記録上、単独任務従事者としては最多です。
王立軍補給監:
にわかには信じ難い。
第七聖務官シド:
だが記録は事実だ。
中央大聖堂としては、本件を彼による単独同行および単独回収任務とすることを提案したい。
参謀総監殿とも相談済みである。
王立軍西方統括卿:
小規模でも護衛部隊を編成するべきではないか。
聖女護送だぞ。
第五聖務官:
検討済み。
王立軍西方統括卿:
却下理由を。
第五聖務官:
第一に秘匿性。
第二に行動速度。
第三に帰還後処理。
(──沈黙)
王立軍西方統括卿:
……帰還後処理?
第五聖務官:
儀式完了後、対象は遺体となる。
(──沈黙)
王立軍補給監:
遺体活用工程を考慮しているのか。
第五聖務官:
本件に関わる人員は可能な限り制限すべきと判断する。
司祭長エドヴァル:
儀式後の遺体管理は中央大聖堂直轄となる。
情報流出は避けねばならない。
王立軍西方統括卿:
……なるほどな。
王立軍参謀総監:
加えて、大人数では魔物支配域内で目立つ。
隠密行動を前提とするならば少人数、可能なら単独行動が望ましい。
第七聖務官:
アルノ・カリエルは元々、死地への単独侵入を主任務としている。
任務適性は極めて高い。
王立軍補給監:
精神面は。
書記補佐:
問題無いと判断しています。
過去任務における精神異常報告なし。
王立軍補給監:
……逆に不気味だが。
司祭長:
本件に感情論を持ち込む必要は無い。
必要なのは成功率だ。
(──沈黙)
王立軍西方統括卿:
聖女本人との相性確認は。
第五聖務官:
不要。
任務期間は限定的。
王立軍西方統括卿:
……そうか。
(──沈黙)
司祭長:
では決を採る。
同行者をアルノ・カリエルとする件について。
(──承認多数)
司祭長:
可決。
任務準備を開始する。
◾️議事録終了




