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第七章④神々との戦い壱

第七章④神々との戦い壱

「グレンヴァル将軍、左翼崩されかけております!」

「我が出る!副官!指揮は任せた!」

「はっ!ご武運を!」

「誰に言っている?我が易々と負けるとでも?」

「はは、そうでしたな。」

 グレンヴァルが加わる。

「ふん!」

「がはっ……。」

 グレンヴァルが矛を振るうたびに、直線状の閃光が走る。

「おい、化け物がいるぞ!」

「なんだこいつ!」

「我々神が魔族ごときに遅れをとるなど……。」

 一斉にグレンヴァルを襲撃する神兵。しかし、グレンヴァルの矛にことごとく薙ぎ払われ、皆、絶命していた。

「神兵といえど、この程度か……。」

「中級魔族であれば苦戦するだろうが、上級魔族なら押せる!」

「全軍進軍!我らが魔王様へ忠誠を示せ!」

 グレンヴァルの奮闘で持ち直す魔王軍左翼。一方で、神々の右翼にも動きがあった。

「カルディス様!相手左翼部隊、前進を初めました!我ら右翼、劣勢!」

「そうか。わしが出るしかないとは、情けない。」

「ぶ、武神御身ずから御出陣なさるのですか!?」

「こうなればやむをえまい。噂に聞いているが、転移者が魔族についているのであろう。」

「ならば、わしが出るほかなかろう。今回の転移者はかなり腕利きと聞いておる。」

 そうして武神・カルディスは陣幕を後にする。

「グレンヴァル様、再び我らが劣勢になりつつあります!」

「ええい!次から次へと!」

「武神・カルディスを目撃した兵もおります!」

「何?絶対神の左腕は相当腕が立つと聞いているぞ。」

「ならば、我が止めるだけのこと!」

「うぬが転移者のくせに魔族についたものか!?」

「?何を言っている?」

「!?うぬは確かグレンヴァルとか言う、魔族の将軍ではなかったか?」

「是非もなし!」

「わしの部隊は、魔族一匹にすら手こずるのか!

 情けないことじゃ。」

 カルディスの斧がグレンヴァルをかすめる。

「ほぅ、避けたか。魔族最強というのは、伊達ではなかったか。」

 グレンヴァルが矛を振るう。閃光ごと巻き込まれるカルディス。

「仕留めたか!」

 だが、そこには平然としているカルディスがいた。

「今、何かしたかの?」

「なん…だと……。」

「我の閃光を受けても、傷ひとつないというのか!?」

「浅いの。」

「このぐらいなら軽い。まだまだ研鑽が足らんの。魔族最強というのは。」

「ならば、直接串刺しにするのみ!」

 グレンヴァル渾身の一撃は見事にかわされる。

「ほぅ、なかなか豪胆じゃな。だが、まだまだじゃな。」

「武とは避けられぬなら受ける。」

「受けられぬなら避ける。」

「そういうものじゃ。」

「カルディス様!最前線で、我らが兵が瞬く間に破れ去っており、前線の維持が激しくなっております!」

「なんじゃと!今度こそ転移者か!」


 魔王軍と神兵軍の最前線。

 そこには、高速で動き回る仮面がいた。

「なななな、なんだこいつ!」

「動きが見えな……。」

 ズバズバと切り裂いていくアラミス。

 (体が勝手に動く……。いつものことだが、気味が悪いな。)

 (理屈がわかったからといって、この嫌な感じは変わらないものだな……。)

 神兵たちだけが鮮血に染まる。それに続いて上級魔族が後方から魔法の支援攻撃があるのだから、神兵たちは少しずつ、確実に後退せざるをえなかった。

「各個撃破されてたまるか!」

「全員、一斉にあの仮面にかかれ!」

「うおー!」

 一瞬で取り囲まれるアラミス。

 しかし……。

 一瞬で斬り殺されていく神兵たち。

「なんだ、なんなんだ、何が起きている!?」

「がはっ。」

「くそ、残像に斬られるなんて、そんな馬鹿なことがあってたまるか!」

 一人、また一人と凄まじい勢いで斬り殺されていく、神兵たち。

 アラミスも決して無敵というわけではない。

 実際、何度か人海作戦をとる神兵たちに背後を取られることもあった。

 だが、それを倒していたのは、他でもない、リゼットだった。

「ふふ、戦局有利だから来ちゃった。感謝しなさいよ、リゼちゃんのおかげで、あんた無傷なんだから!」

「……助かる。」

「くそ、あのちっこい魔族、なんとかできないのか!」

「仮面が邪魔で近づけません!このままでは、我らは総崩れになります!」

「カルディス様だ!カルディス様に報告を急げ!」

「それが……ただいま、我ら右翼で相手と交戦中とのことで動けないご様子!」

「なんだと!?カルディス様がいて、拮抗しているだと!?」

「我々は何と戦っているのだ……。」


 一方、魔王軍左翼。グレンヴァルとカルディスは激戦を繰り広げていた。

「ただの魔族だと思っておったが、やるではないか!」

「ぬかせ!ここは我が死守する!」

 そこに神兵が後ろからやってくる。

「報告!我らが最前線、完全に崩壊!もはや、撤退も……!」

「なんだと!?転移者が強いとは聞いていたが、ここまでやるのか!?いや、そもそもわしらが戦っているのは、本当に転移者か?魔王ではないのだな?」

「はっ!魔王は今の所確認されておりません!」

 グレンヴァルは呼吸を整えながら、成り行きを見守っていた。

「ええい、魔族などに遅れをとるとは!不覚!」

「全軍、撤退!これ以上損害を出してはならぬ!」

「はっ!」

「グレンヴァル……わしは忘れぬぞ!」

 そう言って引き返していく、神兵軍。

 魔族軍が追撃を開始する中、グレンヴァルだけは動けなかった。

「絶対神の左腕でこの実力……。果たして絶対神とはどれほどの力を持っておるのだ。」

 そう呟いて、自らは静かに戦線を退いた。

 アラミス、リゼット、グレンヴァル、各々の活躍もあり、魔王軍は思いの外、損失は軽微だった。一方で神兵は大打撃を受けたのは事実だった。


 だが……。

 この戦いを見届けている者がいた。

 ユリウス。

「ふん、転移者といえどこの程度か。あの無能の女神は辞めてもらって正解であったな。」

「カルディス……我の左腕の割には情けない戦いぶりだ。」

「我が直接手を下さなければならぬやもしれぬな。」

「世界は、我が秩序をもたらす。」

 そんなユリウスの側には右腕・エルディアンが静かに、しかし、真剣な眼差しで俯瞰していた。


 続く


久瀬、危うくガンダムF91を描きそうになりましたw


あぶねーw

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