第1章③ 始まり(改訂1)
ちょっと導入としては弱い気もしますが、あまりファンタジーとか描き慣れてないので、仕方ない感もあります。もっといいの書けたら、改訂します。(その際は、改訂済み等タイトルに明記します。)
第1章③ 始まり
気がつけばそこは、緑豊かな草原だった。
あのウェンディという女神から受け取ったものは、本当に最低限のものだった。
鋼の剣、鋼の鎧、鋼の盾、鋼の籠手等前衛一式、そして魔導士等後衛用装備一式とわずかばかりの資金。
特殊な能力も、スキルもなかった。
正直に言えば、少し心許ない。
だが……。
ウェンディ、明らかに疲れ切っていた。
「バイトだから」という理由だけで、さまざまな実務を同時に回していたから、その疲労がどのような状態を招くかを知っていた。そして、俺はウェンディに、その影を見た。
カミサマという連中の世界構造は知らんが、ガバガバだな。一人に責任と実務が同時に集中しすぎている。便利すぎるのか、ウェンディは。
……まぁ、俺の知ったことではないが。
……希死念慮さんを除けば、「死ぬのは、『プレイヤースキル影響大』。『環境依存極大』。『ちょっとした運』。」って感じか。少なくても、俺はその可能性を下げながら、地道に強くなる方針でいこう。大体において、短期的な目標より長期的に目標を組んだほうがうまくいく。
まずは村なり街を探さなくてはいけない。幸い、地図はある。解はそこにあった。
ラフィネ村。どうやら、ここから一番近いのはその村らしい。まずは情報収集が必要だ。情報がなければ、戦略すら練れないからな。ところで俺、そこに着くまでにくたばったりしないよな……。クソ立地でないことを願うばかりだ。
しかし、それは杞憂だった。たびたび、モンスターと思しきもの、おそらくゴブリンとかそういった連中だろうが、サクサクと倒していけた。案外、この身体は戦闘用に最適化されているのかもしれない。……最適化が必ずしも正しいのかは疑問だが。環境が変わったら、適応できなくなるかもしれない。
ラフィネ村での情報収集は割とあっさりと進んだ。元々、転送時にウェンディからこの世界の知識はよくわからない方法で与えられていた。気づいたら、頭の中に色々と入っている、そんな感じだ。法律、主要な宗教、一般的な振る舞いなどなど。だが、現地でないとわからないこともある。実際に投げかけられた言葉はこれだ。
「あ、冒険者だ!」
村の子供に言われた。冒険者、という言葉はもちろん知っていたし、情報も概ねもらっていた。だが、こういった村では珍しい類らしい。確かに、鋼の装備一式をしたおっさんは見当たらない。いや、おっさんでなくても鋼の装備をした人が見つからないだけだがね。
気がつけば、もう夜が近づいていた。
もらった金銭は必要十分だが、宿を借りるより野宿の方がいい。それぐらいの感覚でないと、いざという時に困る。
野宿の準備をして、諸々を終えて寝ていた時、それは突然やってきた。
「野郎ども!この村からまるまる金目のもの奪っちまうぞ!」
一瞬、幻聴かと思った。夢だと思った。
……しかし、それは現実だった。
聞こえてくるのは、雄叫びと叫び声が混ざった不思議な音だった。
目の前では斬り殺される村人。山賊だか、盗賊だかわからない連中はひたすら殺しまわっていた。
「……これは、俺も死ぬのか……。」
後ろから気配を感じた。持っていた剣に思わず手が伸びて……
盗賊は死体になっていた。
「……!?俺がやったのか……?無意識に?体が動いて?」
実感はあった。だが、意識だけがなかった。
「……この体は、思ったより強い、のか?」
「……厄介なものだな、本当に。」
刀身に染みついた血が現実を語っていた。俺は人を殺した。
「こうなった以上、村人を助ける、これしかないよな。」
そして篠田は盗賊をことごとく斬った。
たった数分の出来事だった。実践経験なんてないのに、不思議と体が動いた。
これがウェンディが与えた力なのか?ちょっとだけって言ってたけど、どうやら基準がズレてたらしい。
明らかに歴戦の戦士の動きだった。こんな動き、勤務歴6年以上の現場でもできないぞ。
「ぼ、冒険者さん、あんた……一体?」
突然現れた『救世主』に唖然としていた村人が声をかける。
「あ、いや、俺は……。」
「ありがとうございます!」
村人一同から感謝された。人に感謝されるなんて、いつ以来だろう。
「冒険者様、あなたはこの村の救世主じゃ。お名前をお聞きしてもいいかの?」
いかにも村長のような出で立ちをした老人がいた。
「お、俺は……アラミス。」
なぜだか、本名を言いたくなかった。いや、言えなかったのかもしれない。
ただ不意に出たアラミスという名前。三銃士ならアトスが好きだったんだけどな。
その後、村の様子を確認すると言って、一旦お開きとなった。後日長老宅にくるよう言われたが……。
(人を殺しまわって、英雄扱い、ね。全くごめんだね。)
(それにしても……)
ふと、そばに横たわっていた、元盗賊の死体が転がっていた。
俺が殺したそれを一瞥する。
「……盗賊、か。」
「ウェンディからの知識によれば、この国にも生活保護みたいなもんがあるようだが……。」
「あぶれたのか。こいつらも好きで盗賊になった訳ではないだろうが……。」
「だからと言って、何をやってもいいとはならない、よな。」
「盗賊が普通に村を襲う世界、もう社会構造詰んでるのか、この世界は……。」
思わず深くため息をついた。
そして……何も言わずに、村を後にした。
続く
読み返してみて、「雑だなー」って思いました。
ちょっと、これは本格的にリライトする予定です。後日ですが。(その後日がいつかは明言しかねますが。)
ただ、最後のモノローグを書きたかったのが本音です。
追記:
多少リライトしました。少しはマシになったと思います。




