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95話

 あたしの膣から放った矢が、砦のバリスタを破壊した事で、向こうさんは更にパニックに陥ってるとの事だった。


 兵器を失った、マッドビーストの連中は、砦の上から魔法で作られた火の玉を発射してきたり、弓て射ってきたりするけど、流石に巨チンにそんなの効きやしない。


 そしてある程度の距離まで近づいたとこで、

「先に出ますマリヤ様!」

とか言って、犬が更に加速して超跳躍で高い壁をひとっ飛び。


壁の向こうからは、多分そのマッドビーストって連中かな。慌てふためく声が聞こえてくるよ。


 まぁこれだけ高い壁を、飛び越えてくるなんて普通思わないよねぇ~。


「こっちは任せるよ! 思いっきり暴れてやりな!」


 巨チンにそう言い残して、あたしは手から地面に飛び降りる。


「まがぜろ! マジヤ、おで、やぐにだず!」


 そう言って巨チンの奴、壁に向かって体当たりしやがった。

 すげぇすげぇ、ズシーン! って重低音奏でて、石の壁がへしゃげたみたいになってやがるよ。


 これは即効で崩れそうだけど、あたしはとりあえずっと。


「お~い! 門についたぞ~、これから開けっから」


 火の玉のいっていた、丈夫な門てのはこれかい。ミスリル製とはいってたけどねぇ。


『判りました! 我々もすでに近くにおります……しかし巨神は向こう側で行動してるようですが、一体どうするおつもりで?』


 あたしは腰を屈めて地面に両手の指を付け、こうやんだよ! と口にしながら、一気に! 突っ込む!


 今のあたしには、あの巨チンの力も備わってるからね。

 で、案の定、肩から思いっきり体当たりしたら、ミスリル製の門がトラックで突っ込まれたかのような暴力的な轟音を耳に残して、内側に吹っ飛んで行った。


 あたしの背の倍は高さがある代物だったけど、吹っ飛んでったソレは砦の外に集まってきてた盗賊どもの目の前に落ちて、更に何度かバウンドしながら、奴らの間を抜けていった。


 おかげで盗賊共も、唖然とした顔で動きが止まってるよ。

 だったら――あたしは間髪入れずその集団目掛け駆け出す。


「くっ! くるぞ! 絶対にここを通すな!」


 集団の先頭にいた男が叫んで、周りの奴らも肉の壁を作り始めるけどね。


「おらぁ! いくよ!」


 あたしは踏み込んだ右脚に力を込めて、敵の集団目掛けて思いっきり飛び跳ねた!

 そしてクルリと背中を見せて、魅惑のヒップで――思いっきり突っ込む!


「え? しり、いいぃいいいい!」


 あたしの尻が先頭の一人にぶち当たると、悲鳴と同時に五十人はいたと思う盗賊たちが、勢いに耐え切れず、ボーリングのピンみたいになぎ倒されていく。

 うん! スットライーーーーック! てね!


「マリヤ様お待たせ致しました~~!」


 火の玉の声が後ろから聞こえてきたけどね。遅いっての。まぁいいや、残党の方はあいつらに任せてっと。


 あたしはチラッと巨チンを見た。すでに壁をぶっ壊して、中に入り込み、盗賊たち相手に暴れまくっている。


「お~い、砦は必要以上に壊すなよ~~」


「おお! マジヤ! おで、わがっだ!」


 素直でよろしい。で、犬は……なんか声が上の方から聞こえてくるね――


「ば! 馬鹿な! ここまで何メートルあると……ぐわぁあ!」


 ドスンッ! て一人上から落ちてきたよ。マジ使えるなアレ。


 で、当然だけど砦の門もしまってたから、あっさりぶっ壊して中に入る。


「こ、この化け物め!」


 中に入ったら、曲刀もったバカ共が震えながらそんな事を言ってくるけどね。


「あん? 何お前ら、このあたしが化け物にみえるの?」


 ちょっと色のある姿勢を魅せながら、あたしが問いかけると、え? え? て戸惑いだした。馬鹿だね本当。


 それじゃあっと!


「うぷっ!」

 

 あたしは盗賊の一人に向かって飛びかかる。顔に当たる直前に股を広げて、顔を股間に押し付けたと同時に首に脚を絡ませ締め付ける。


「ぐ、ぐるじ、で、でも、いいじお……」


 はいはい、それじゃあそのまま天国にいっちゃいな! 

 あたしは身体を斜め後方に逸らしたあと、勢い任せにその男の身体ごと、独楽のように空中で回転して、周りの野郎たちも、一気になぎ倒してやった。


 ぶんぶんぶんぶん、て、めっちゃ回転してっけど、しっかしあたしもよくこんな動き出来るよなぁ。なんか超爽快だし!


 で、最後股間にはさめてた男も床に叩きつけてやる。死んではいないかな? やられてんのに幸せそうな顔してんよ。

 まぁいいや。とりあえず更に先を急ぐ。


 てか、ここ五百人ぐらいいるんだったかな? 何かどんどん出てくるよ。めんどいね、わらわらとゴッキーじゃあるまいし。


 まぁでもこれならゴッキーの方が嫌だけどね。やっぱりあの黒いカサカサした動きはいくらあたしでも、身震いしちゃうレベルだしねぇ。


「ちょ、調子に乗るなきさ、ぐふぉおお!」


 あ、また一人潰しちゃった。ま、いっか。


 で、階段上がって広い通路を駆ける。てか、冷静に考えたら、どこいきゃいいんだろなあたし?


「くそ! 一体どうなってやがる!」

 

 うん? なんか正面に見える右の通路側から誰かが飛び出してきたな。


「――て! うぉ! マリヤ・メルセルク!」


 うん? なんでこのおっさんあたしの事知ってんだ? あぁそっか。先にエロババァが化けて来てるんだったか。


「おお! マリヤ!」

「マリヤ様!」

「お? ついでにここの頭もいやがんぜ!」


 うん? なんかおっさんの後方から、馬鹿とメイド長にエロババァ、それと三獣士もやってきやがったね。


 てか、頭? あぁそっか。こいつがマッドビーストとかいう連中の頭って奴なのか。そう言われてみると野性的な顔してんな。


「な、なんでエロイーヨがここに!」


「ふん! 妾は最初からいたわ、愚か者め――」


 嘲笑するようにエロババァが言う。

 そしたらあたしとを交互に見て。


「そ、そうか! 貴様ら! 謀ったな!」


 何だ、今更気づいたのかよ。とれぇなこいつ。


「さぁ! もうこの砦が落ちるのも近い! いい加減諦めるのだな!」


 馬鹿が前に躍り出て、手持ちの剣の刃を頭ってのに向けて言い放ったね。


 で、頭は歯をぐぎぎっ! と噛み締めて。


「ここが落ちるだと? この俺に諦めろと……うぉおぉお!」


 て、なんだおい! 熊みたいに吠え出しやがったよ。何か、してくる気かい? 馬鹿たちも、身構えたね!


「判った! 諦めるぞおおぉおおおお!」


「…………」


「はい?」

「え?」


 思わずあたしと馬鹿が、同時に間の抜けた声上げちゃったよ。

 てか、堂々ということかそれ?


「……え~と、つまり降伏でいいって事ですかい?」


 牙が戸惑った様子で聞いているね。


「そうだ。そういっただろう!」


 腕を組んで、まぁ偉そうにいうもんだ。


「まぁそういうわけだ。素直に降伏するから命だけは助けてくれないか?」


 武器を捨ててあたしに近づきながら、頭が自分の願いを言ってくる。


「まぁ降伏するなら命まで奪う気はないよ。ただ――」


 て、うん?


「あっはっはっはっはぁああ! 馬鹿め! 油断しやがったな!」


 なんか喚きながら、頭があたしの裏にまわって右腕で首を締め上げてきたね。

 で、左手には隠し持ってたらしいナイフが握られてて、あたしの喉元に突きつけてきた。


「さぁ! 貴様ら! この女の命が惜しけりゃ! 武器を捨てて降伏しろ!」


「…………」


 いや、なんかシラーっとした目で全員見てきてるけどね。おいおい! 少しは心配――


「ぐぎょおおお!」


 て! なんかこの頭がやってきた方から、盗賊が飛んできて壁に叩きつけられたね。


「ふぅ。こっちもだいぶ片付きましたな」


「アレックス!」


 犬が、パンッパンッて手を打ち鳴らしながら、盗賊の飛んできた通路から姿を現したよ。

 どうやら壁に叩きつけられたそいつらは、犬がやったみたいだね。


「おや? メルセルク様にメイド長! それにその他大勢の皆様。ご無事で何よりです」


「誰がその他大勢だ!」

「妾までその他に含めるとは無礼な!」


 その他大勢が文句言ってけど、犬は気にせずこちらに顔を向ける。


「おや? マリヤ様つかまってしまわれたのですか?」


「あぁ、ちょっと油断したよ。で、そっちはもうだいぶ片が付いたのかい?」


「えぇ。ここの盗賊は数は多いですが、腕は大した事が無いですな。外もイメクラ殿とダークエルフ、それに巨神殿の力でほぼ――」

「お前らいい加減にしろぉおおお!」


 あ、頭がキレた。


「お前らこれが見えねぇのか! 馬鹿なのかてめぇらは! そこの馬鹿もなに平然と会話してる! てか武器を捨てろ! 動きを止めろ! 俺がこのナイフに少し力をいれ、はぉ!」


 正直うるせぇ。耳が痛いんだよ馬鹿。たく、しゃあねぇから右手で股間を思いっきり握りしめる。


「うぐぉ! な、が、ガードが付いてるはずにゃ、の、に」


 ガード? あぁそういえばなんか固いね。てかこれ逆に危なくね? これごと潰しちゃうぜ?


「ちょ、おま、そ、それいじょう、つかいも、のに――」


 完全に腰が引けてんな。あ、カランってナイフが落ちた。


「ゆ、ゆるじで……ま、まいり、まし、だが、ら」


 う~~ん。まぁとりあえず、バキッ! て股間の部分を剥ぎとって……獣みたいな顔してるわりに、中身は粗末だな……まぁいいや。


「はう!」


 あたしは頭を前蹴りして、仰向けに倒す。で、股間に向けて思いっきり右足を振り下ろして。


「ぐふぉおおぉお! しょ、しょんな、ぐ、ぐりぐり、と」


「なぁ? 一応再確認だけど降伏って事でいいんだな?」


「は、はい、りゃから、ゆるじで……」


「あたしに忠誠ちかう?」

 

 粗末なモンを、強弱おりまぜながら踏みつけたり、撫でたり、指の間で挟めたりしながら、確認する。


「は、はい! ちがいまずうぅう!」


「そう――」


 あたしはそういって脚をどけた。そしたら、え? て頭の奴が頭を持ち上げて目で何かを訴えてくる。


「何? どったの?」


 あ、いや――て口ごもるこいつのモンは、粗末なりに元気になってやがるね。


「そ、その……」


「なんだい? もしかしてまだ踏んで欲しいのかい?」


 そう聞くと、頬を朱色に染めながらコクリと頷いてきやがった! キモいねマジで!


「だったら生き残った連中も含めて、あたしに忠誠を誓うよう働きかけな! 出来るかい?」


「は! はい! やります! やります! ですから!」


 オッケー、それじゃあっと、必死に媚びてくるこいつのソレを思いっきり踏みつけて――ほ~れ、グリグリしゅこしゅこってね!


「あ~~~~! しゅごい! 脚で! 脚で俺の! 俺のマクガイヤーがぁああぁあ! ふおぉおおおおん!」


 ……あ~あ。本当に脚だけで逝っちまうとはね。まぁいいか。これでこの砦と兵士も、も~らいっと。

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