94話
「マリヤ様! もう間もなく砦が見えてくる筈ですぞ!」
犬が巨チンの横を併走しながら、目的地が近いことを知らせてくれる。
しかし犬の装着してる具足は凄いね。巨チンは夜も休むことなく走り続けていて、これはこれで凄いんだけど、犬もしっかりそれに付いてきてる。
なんでもあまり疲れを感じないんだとか。そのおかげで眠りながら走るという芸当も可能になりましたよあっはっは、なんて笑顔で言ってたりしたけどね。
走りながら眠るは具足ってか犬が凄いんだと思うけどね。いや、マジで大したもんだわ。
それにしても距離的には行きとそんなに変わらない筈なのに、こんなに早く砦まで到着するなんてねぇ。
流石巨チンだなって感じだな。何せ一歩一歩の歩幅が大きいしね。
まぁ途中村とかを横切ったりした時は、さすがに皆ポカーンっとしてたけど。まぁそれは仕方ないさね。
『マリヤ様! 今はどのへんにおられますか!?』
うん? 指輪から火の玉の声が聞こえてきたねえ。
「多分もう少ししたら砦がみえてくるよ。そっちはどんな感じだい?」
『は、はい! 先ほど砦の方からエロイーヨの合図が送られました。魔法で知らせるよう言っておきましたので。ただ、どうやら救出は成功したようですが……』
うん? なんだかハッキリしない口ぶりだね。
「なんだよ? もしかして何かあったのかい?」
『いや、実は砦から魔法で合図を送ったもので、中の奴らにバレてしまったようでしてな。先程から鐘の音が鳴り響いて慌ただしくなっておるのです。あっはっは』
笑い事かよ! てか何やってんだあいつら。
『とはいえ、どうやらかなり中で暴れまわってるようですな。雰囲気でそれは判ります。ですのでこちらも攻めに転じようかと思って入るのですが、何せ壁が厚い。なので――』
早く来てほしいってかい。まったく結局こっち頼みかよ!
「犬。あとどれぐらいだい?」
「わん! もう見えてく……あ! アレですマリヤ様!」
犬の指差す方にあたしも目を凝らす。そしたら、確かに高い壁と、その壁より更に頭ひとつでかい砦が見えてきたよ。
「よっし! 巨チン! いよいよあんたの力を振るえる時だよ!」
「おう! マジヤのため! おで! がんばる!」
巨チンも気合入ったのか、走る速度を上げたね。おお、すげぇすげぇ砦がどんどん近づいて――
『!? マリヤ様お気をつけ下さい! 敵に気づかれた模様です!』
はぁ気づかれたって?
「イメクラ様のいってる通りでございますな。まぁこれだけの巨体であれば、判らなくもないですが」
指輪からの声が聞こえたみたいで、犬がひとり納得しているね。まぁこんなでかいのが近づいてきてりゃそりゃ気づくってもんか。
『あれは! バリスタ! しかも魔法の力を込めております! お気をつけ下さいマリヤ様! 巨大な矢が、あ!?』
「マリヤ様!」
「おい! 避けろ!」
「うおおぉおお!」
何かがキラリと光ったかと思えば、すげぇ速度で火の玉の言う、デケェ矢が飛んで来やがった!
巨チンは上半身を即効で横にずらしたけど、矢は巨チンの右肩を抉って、後方へと飛んでいったね。
傷は結構大きいか? 血がドクドクと流れ落ちていってるけど。
「大丈夫でございますか巨神殿!」
「あんた! 大丈夫かい!」
あたしと犬がほぼ同時に、声を掛ける。
だけど、巨チンはにかっと笑顔を見せて、こでぐだい、だいじょうぶ、と平気であることをアピってきた。
まぁ実際走る速度は落ちてないしね……しっかし、あたしの物に傷つけるなんてやってくれるじゃないか!
『マリヤ様! 次の矢の準備が整ったようです! お、お気をつけを!』
……さっきの矢は青白い光みたいのも発してたね。それが魔法って奴かい。
巨チンの傷を見る限り、まともにあたってしまったら、いくらこいつでも命が危なそうだよ。
「犬! 矢の来る位置は予測できるかい!」
あたしは犬に聞いてみる。こいつはかなり優秀だ。それぐらい出来るんじゃないか? て気がする。
「いま算出しました!」
予想以上だね!
「多分一撃目で精度を見て調整したのでしょう、次は巨神の心臓を狙ってる模様です」
ヤル気満々じゃねぇか。
「だったら犬! 発射される瞬間合図をくれ! そしてあんたは犬の合図と同時に、今の心臓の位置にあたしを持ってきて!」
そう言ってあたしは巨チンの手に飛び移る。だけど巨チンは随分とオロオロしてるよ。
「ぞ、ぞんなごと、マジヤ、あぶない」
「大丈夫だよ! あたしを信じな!」
「マ、マリヤ様本気でございますか?」
犬もちょっと狼狽えてるけどね。
「あんたら! あたしが信じられないってのかい!?」
そう叫んだら、犬と巨チンがお互い顔を見合わせたね。そして正面を向きなおして。
「わがっだ。おで、マジヤ、じんぢる」
「当然犬もでございます!」
よっし! 上等!
「……マリヤ様――来ます!」
「マジヤ!」
犬が声を上げて合図すると、同時に巨チンが手を動かして心臓の前にあたしを持ってくる。
そしてそれとほぼ同時に矢がこっちに飛んでくるのが見えた。あたしはそっこうで掌の上に寝そべって、股を逆八の字に広げた。
勿論下着はすでに脱いでいる。
体勢が整い、その時にはすでに巨大な矢はあたしの股の前まで迫ってきていた。
このまま何もしなきゃ、股間から口まで確実に串刺しだね。勿論、そんなのはゴメンさ!
あたしは、膣に意識を集中させる。どこか、いっきに広がったような感覚が来て、直後、矢がズブリ! とあたしのアソコに突き刺さった。
だけど――痛みはない。巨大な矢は、まるで生き物のようにあたしの中にめり込んでいくけど、それはあたしが望んでやってることだ。
あたしから見たらまるでそれはスローモーションのようで、熱り立った男性器にさえ見える長い鉄棒は、あたしの吸引力に抗う事なく、奥へ奥へと吸い込まれ、そしてスポッ! という音を残して消え去った。
「マジヤ! すごい!」
あたしの頭の上から、巨チンが称えて来るけどね。当然これで終わりじゃない。
「犬! 方向はこっちでオッケーだね!」
「え? 方向でございますか?」
「相手が矢を撃ってきた方向だよ!」
「は、はい! その方向で間違いありません!」
よっし! だったら今度は――お返しだよ! あたしは膣に一気に力を込めた。
するとなにか空気を引き裂くような轟音が響いて、安定させるためにM字に変えた股の間から、今吸い込んだばかりの巨大な矢が発射される。
そして矢は全くブレる事なく。一直線に砦に向かって突き進んでいき。
そして――
『うぉ! うぉおおぉお! なんと矢が! 敵が発射した矢が戻ってきて! 敵の装置を破壊しましたぞぉおお!』
指輪から歓喜の声があたし達の耳に届いた。うん! 狙い通り!
「す! 素晴らしいですぞマリヤ様! マリヤ様の【膣バリスタ】! なんと見事か! この犬! 感服致しました!」
……て、おい! 何勝手に変なネーミング――
『なんと! 今のはマリヤ様の所業でございましたか! いやはや膣バリスタとは! 流石でございますマリヤ様! 膣バリスタ! ばんざ~~~~い!』
『マリヤおねぇさま~ふふ~ん。膣バリスタなんて必殺技、普通は思いつきませんの~ふふ~ん』
いやマセコまでそんな鼻歌交じりに……。
『膣バリスタ! 凄まじい破壊力……ダークエルフにもこのような魔法、不可能ですわ――恐るべき膣力!』
いや膣力って――
『膣バリスタ! 膣バリスタ! 膣バリスタ!』
……おまけになんか指輪の向こうでへんなコールが起き始めてるね――なんだよコレおい!
「マジヤ! じずばりずた! ずごい! ざいぎょう!」
お前まで言うか巨チン!




