巨人
巨人の伝説は世界各地にある。
力は強いが愚かで少年や英雄に出し抜かれるもの。
気は優しくて力持ちな民と寄り添うもの。
彼らは権力の象徴とも大自然を表したものともあるいは理不尽な存在、神や仏の使いなどさまざまな形で描かれていた。
だが、巨人を神族ときて崇める神話を他の神話の民が打倒する話があったりはするが巨人による政権の伝説はいうほど多くはないのではないか。
そんな巨人の末裔は。
「じょわー」
寝ていた。
とりあえず道路塞ぐな。
尻を掻くな。
へいSiri。そっちじゃない反応するな。
徳香はバスを待っていて居眠りついでにそのまま巨大していた。うっかりさんである。
バキュームカーのおっちゃんがブチ切れて汚物撒くぞと叫んでいるが彼女には届かず。
汚穢の臭いを放つ切先を彼女に向けた途端。
「ハッ!(ブシュ!)」
くしゃみとともにおっちゃんは飛んでった。
北海道旅行代が浮いた。
英雄と巨人はかくも両立しない。
巨人にして英雄となるためには、いや巨人でなくとも人はある時理屈ではなく何かのために立ち上がる。
「じょばっ!」
徳香、寝ぼけて両足伸ばして立ち上がるとまた倒れて寝たのでビルが倒壊した。
そういう意味ではない。いきなり立つな!?
「じょ……ああわん!(姉さん。この歳になってお風呂一緒は嫌だから。ちょ、どこ触って)」
大きな徳香の手が怪しい動き。
近くのコンビニ近くて大音響出していたバ○ラトラックが横転した。
右翼とよく誤解(?)される例のせんべい屋のトラックも戸惑っている。
示威行動はよろしくないがこっちの、いやいうまい。
真夏の夜の淫夢はビリー兄貴など総出演だが徳香は秋も冬になろうとしているのに色々熱い。
「じょわー!」
カルシウムマグネシウムビーム発射!
前述したが30センチに満たない飛距離なので核爆発は起きなかった。鼻をいじるな。
カンカンカンカン。踏切の音。
飛び込み自殺を図ろうとしていた学生はいつまで経っても電車が来ないのでブチ切れ。
風は出ているか。
めっちゃ走っていたおじいちゃんとおばあちゃん、新記録出ずに困惑。
時そばで料金を誤魔化そうとしていたおっちゃんは窓から見た徳香の姿に間違えて余分に払った。
こうして迷惑な巨人にしておばさんは一日を過ごすのである。
とりあえず徳香に悪気はない。
「大阪で戦前の爆弾騒ぎか。交通インフラに遅延」




