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月宮軍事国家の爆破実験

今回は月宮軍事国家フラムラス少佐の視点です。

今日は戦場へと赴く日だ。


私が立てた作戦を軍の隊を借りて実行するのだ。


『しかしお前もゲスい野郎だな。「転移」を使える奴らを集めて、アルバキュリオの連中が乗り込んでいる車に小型爆弾をいくつも配置させるとは。』


「合理的な判断をしたまでだ。もう行かなければならないぞ。」


そう言って私は部屋のエレベーターを使い、ヘリがある場所へ登っていく。


強い風が私の帽子を持っていこうとするので、手で押さえながら歩いた。


するとそこにはローズ大尉がいた。


「おはようございます。少佐。」


「ああ、おはよう。」


少佐の私と補佐を務める彼女はヘリへ乗り込み、戦場へと向かう。____



____「それでは、今回の作戦の最終確認をする。諸君は事前に聞いていると思うが、今回は戦場においての爆発物の新たな可能性を探る実験であり、諸君には用意されたこの小型爆弾を敵が乗り込んでいる車両へ転移してもらう。」


そう言いながら私は手に小型爆弾を持ち、更に説明を加える。


「これは軍特製の強力な爆弾だ。一個有れば車両程度なら簡単に破壊できる。だが問題は転移が可能な範囲だ。

諸君らならば2km程度なら届くかもしれないが、敵の移動中の車両に転移させるには足らなすぎる。

だから、今回はこれらを使う。」


わたしは2つの箱を持ってこさせ、それに手を置く。


「これは魔術増幅転換装置、『ギャタピラックMk.780』、こっちは空間座標精密計算機『サタヌティスMk.50』だ。これらを使えば転移の範囲は400kmは容易く、より精密な転移をすることができるだろう。」


私の説明を聞いた兵士たちから「おお…!」という歓声が広がる。


「では、早速始めよう。タクティクス『bomber 』、実行!」


それぞれが爆弾を一つ持ち、魔法を込めていく。


「フェーズ1、セーフ!座標固定を開始せよ!」


続いてギャタピラック、サタヌティスを起動し、転移の準備を完了させる。


「装填完了、…撃てっ!」


私の指示と同時に、そこにあった爆弾は跡形もなく消えた。


「…やったか?」


私は成功したかどうか、半ば脂汗を出しながら、ローズ大尉に聞いた。


「少佐、こちらを。」


そう言いながら彼女は視認魔法のモニターを私に差し出す。


そこにはひしゃげた車体と肉片が飛び散っている光景が写っていた。


「…成功、か…。」


わたしは溜息を吐きながら、椅子になだれ込むようにして座った。


『どうしたんだ?そんなに緊張していたのか?別に失敗しても次があるのに。』


「この作戦の予算は軍から出ている。その上費用は3兆ポウラーだ。」


『さっ…!そりゃ緊張もするわな。てか何で俺はそれを知っていないんだ?』


「さて…一応肉眼で確認して、情報をまとめないとな。磁気浮遊二輪の使用許可を出そう。確認に行ってきてくれ。」


「はっ!」


わたしの指示を受け、兵士たちは現場へ向かった。____





____「…やけに遅いな。ローズ大尉、もう一度映してくれないか。」


「ええ、わかりました。…。っ!?し、少佐!」


「…どうした?」


嫌な予感がする。


「兵士たちが、…」


「これは…!?」


彼女が出したモニターには、体をズタボロにされ、干からびた兵士たちの姿があった。


『こりゃひでえな。何も残っちゃいねえぞ。全部、精神まで奪われている。』


だが、私が最も驚愕したものはそれでは無かった。黒いシルエットの、人間がそこにはいた。


日に照らされているにもかかわらず、その人間は漆黒の姿をしていた。かろうじて赤く輝く目だけが見えたが、それ以外は全く確認することが出来なかった。


「な、なんだ…これは…に、人間…なのか?」


そして、その人間は、その場を離れ飛翔していった。


「…奴はどこにいったんだ?ローズ大尉、分かるか?」


「すでに計算しています!ええっと…。っ!ここ、に、来、ます。」


「…何?」

『…何?』


突如、屋根が突き破られ、私の方へその屋根を突き破った物体が飛んできた。


「ぐっ…!」


ほぼ条件反射で私は持っていたダガーで振り返り様に切りつけた。


しかし、奴はそのダガーを握りしめていた。


そして、私はそこで初めて気づいた。奴が剣を持っていることに。


そしてその剣はスライム状に姿を変え、こちらに襲いかかって来た。


「ひっ」という情けない声を出し、私は後ろへ避ける。


剣は奴に掴まれていたダガーに触手のように巻き付き、獰猛な捕食者の如く取り込んだ。


「あ、あぁ…。」


最早わたしは目の前の光景に恐れをなし、発狂寸前だった。


『おい、早く俺と変われ!俺だったらいける! …おい、おい!どうした!?』


この時、私は立ったまま気絶していたのだ。


『ああ、クソったれが!起きろ!起きろよ!』


その間にも奴はゆらりゆらりと近づいて来る。


『クソ!仕方がねえ!システムを破壊することにはなるが、死ぬよりかはマシだ!』


そういうと、彼は体を内側から突き破るように、脇腹から尾のようなものを出した。


『選手交代だ。』


尾は帽子を掴み、下へ下げた。


そして彼の体は光に包まれていく。


「確かに、お前は化け物染みてるけどよ。化け物そのものには勝てねえぜ?かかってきな坊主。」


そう言って俺は、不敵な笑みを浮かべた。

勝利はどちらの化け物に…?

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