種。
アメブロ掲載作品です。
ギシリとベッドが軋んで
あいつが顔を覗き込んでくる。
「・・・・すごいね・・」
そう呟いて
嬉しそうに笑うあいつの顔に
尚更煽られる。
あいつが触れた場所に
快楽の種が蒔かれていって
体を重ねるたびに
その種が芽吹いていく。
気がついたときにはもう手遅れで
あいつの顔を見ただけで
堪らなく
腰を揺らす自分がいた。
「こんなになっちゃって・・
どーすんの?」
あいつはまだ触れてこない。
ただ、ベッドに横たわるおれを
眺めているだけだ。
横たわっているだけなのに
どうしようもなく乱れ始める自分に
恐怖さえ感じる。
だけどもう遅い。
花は咲いてしまったのだから。
「なあ、どうして欲しいの?」
歪んだ口元にぽつんとある
あいつのほくろが
おれを誘う。
「言ってごらん?」
あいつを引き寄せて
あごに齧りついた。
一瞬戸惑って
そしてあいつはもっと微笑む。
「へえ、食べて欲しいんだ?」
そうだ。
もっとおれを貪って欲しい。
何も残らなくなるまで
貪り喰って欲しい。
「じゃあ、おれを誘ってみな」
そう、また新しい種は蒔かれているのだ。
もう止められそうにもない。
どこまでも堕ちていくだけだ。
おれはお前という花を咲かせていく。
きっと甘ったるくて魅惑的で芳醇な香りで
そして毒のある花。
もっとおれを咲かせてくれ。
もっとおれを啼かせてくれ。
おれはいつだって
花を咲かせる。
お前とおれの
花を咲かせる。
ほら、だから
もっとおれに触れよ。
fin




