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幕間 朝の来客
――テレサが、地の底で眠っていた頃。
地震の翌朝。
トーマ・リーデルは、自宅兼執務室の机に向かっていた。
一睡もしていなかった。
机の上には、研究費の監査資料と、触媒の調達を辿った書類。その真ん中に、書きかけの報告書が一枚。
昨夜から、書いては、手が止まる。
昨日のことを、どこから、どう書くべきか。
誤魔化すという考えは、最初からなかった。全部書く。自分に不利なことも、順番のとおりに。それが、仕事というものだ。
決めているのに、ペンは何度も止まった。
窓の外が白み、鶏が鳴き、村が起きていく。
トーマはペンを置き、冷めた白湯を一口飲んで、もう一度ペンを取った。
その時、戸が鳴った。
こんな朝早くに、誰だろう。
顔を上げ、戸口を見て――トーマは、少しだけ目を見開いた。
「どうして、ここへ……?」
朝の光が、戸口に立つ影を、床へ長く伸ばしていた。
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