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どくろと転生少女の異世界ポンコツ事件簿  作者: みぃ
第一部 アルワール村編
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幕間 任務終了

 事件から数日後。村を出る頃には、夕日が山の向こうへ沈み始めていた。


 シリルは一度だけ振り返る。


 小さな村。


 それ以上でも、それ以下でもない。


 本来なら。


「さて」


 誰もいない街道で足を止める。


 懐から小さな魔導具を取り出し、静かに魔力を流した。


 淡い光が浮かぶ。


『報告を』


 短い声だけが返ってくる。


「アルワール村での任務は終了しました」


「対象は予想どおり動きました」


 少し間を置く。


「はい」


「こちらの目的は達成済みです」


 光の向こうは数秒沈黙した。


『現地の駒は』


「役目を終えています」


「今後は放置して問題ありません」


 事務的な返答。


 そこに情はない。


『了解』


 光が静かに消えた。


 シリルは魔導具をしまう。


「……まったく」


 小さく肩をすくめた。


「最後くらいは、もう少し穏やかに終われると思っていたのですが」


 結局。


 一人は自滅し。


 一人は、自滅によって表へ出た事実をつないだ。


 村には、少しばかり長い爪痕だけが残った。


「予定外と言えば」


 脳裏に浮かぶのは、黒髪の少女だった。


 地味で。


 人見知りで。


 どこにでもいそうな村娘。


 そう思っていた。


「……少々、見誤りましたね」


 隠されたものを何もかも掘り当てたわけではない。


 それでも、違法採掘まで自分で組み立て、村人へ行き先を残し、相手の誤算を自分の安全へ変えた。


 思考力も、準備も、予想以上だった。


 もっとも。


 それでも、自分の任務に届くほどではない。


 そう判断は変わらない。


「ですが」


 口元に、わずかな笑みが浮かぶ。


「退屈はしませんでした」


 風が吹く。


 シリルは王都の方角へ視線を向けた。


「さて」


「こちらも戻るとしましょう」


 少女が王都を行き先の候補に挙げたことなど。


 この時の彼は、まだ知らない。

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