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それぞれの戦い 真壁レオ0
身体が燃えるように熱かった。
頭が割れそうだ。
痛い
苦しい
気持ち悪い
意識の奥で何かが暴れている。
本能
理性
薬によってねじ曲げられた衝動。
全部がぶつかり合い、身体の中を引き裂いていく。
息ができない。
思考がまとまらない。
何度も何度も同じ痛みが押し寄せる。
誰か
助けてくれ
この痛みから救ってくれ
そんな弱音を吐いたことなど、今まで一度もなかった。
けれど
今だけは無理だった。
王狼だとか
統括だとか
そんなものはどうでもいい。
ただ苦しかった。
ただ怖かった。
このまま自分が壊れてしまう気がした。
その時
ふわりと何かが触れた。
温かい
安心する
懐かしいようでいて、知る匂いだった。
何だ
これは
誰だ
分からない
けれど
魂が求める。
もっと近くに。
もっと
失いたくない。
離したくない。
その匂いに包まれていると、少しだけ痛みが遠のく。
荒れていた呼吸が僅かに落ち着く。
温かい。
安心する。
ここにいたい。
ずっと
この匂いの中に。
この温もりを失ったら駄目だ。
絶対に
失ってはいけない。
ぼんやりとした意識の奥で。
ようやく思い出す。
ああ
そうか
唯衣だ
俺が守りたい人
俺が愛している人
その名前を思い出した瞬間。
暗闇の中で、
ようやく帰る場所を見つけた。




