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それぞれの戦い 榊 景0
若が助けを求めている。
その事実だけで十分だった。
ならば動く。
本家を動かそう。
技術者を集めよう。
必要なら頭も下げる。
若のためならば、それくらい安いものだ。
幼い頃から
わたくしの役目は変わらない。
若を守ること。
若が笑うこと。
若が生きること。
それだけを考えてきた。
けれど
今回は少しだけ違う。
白石唯衣
若が何より優先した人。
若が傷付くことを恐れ
若が失うことを恐れ
必死になって手を伸ばした人。
だから私も
守るべきものが一つ増えた。
若だけではない。
若が守りたいものも
私が守ろう。
若が若でいられるように。
その未来を失わないように。
榊景は静かに翼を広げた。
夜空は深く。
戦いはまだ始まったばかりだった。




