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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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番薬9

「景さんのおかげだね」

唯衣が小さく笑う。

「私たち、笑ってる」

さっきまで泣いていたのが嘘みたいだった。

レオは少しだけ不満そうに眉を寄せる。

「俺だけでも、お前を笑わせてやれる」

ふてくされた声。

唯衣は思わず笑った。

「うん、知ってる」

そしてレオを見上げる。

「レオ、ごめんなさい」

レオが黙って続きを待つ。

「わたし、自分だけが傷ついてるって思ってた」

胸が少し痛む。

「レオも苦しかったのに」

「レオの気持ちも信じられなくなってた」

涙はもう出なかった。

代わりに。

ちゃんと前を向けている気がした。

「一緒に乗り越えよう」

静かな言葉だった。

でも強かった。

レオはしばらく唯衣を見つめる。

そして。

ほっとしたように微笑んだ。

「唯衣」

「うん」

「一緒に乗り越えてほしい」

掠れた声。

「夜、辛くなったらお前のところに行く」

唯衣が頷く。

「抱きしめてほしい」

レオは少しだけ視線を逸らした。

こんな弱音を吐くのは珍しい。

「……楽になるんだ」

唯衣の胸がぎゅっと締め付けられる。

「いつでも」

唯衣はレオの手を握る。

「何時でも待ってる」

レオの指が少し力を込めて握り返した。

しばらく沈黙が落ちる。

やがて唯衣が言った。

「わたしも寂しいけど」

「今は別々で寝る」

レオが小さく頷く。

それが正しい。

二人とも分かっていた。

「その代わり」

唯衣が少し笑う。

「レオの服貸して」

「……服?」

「うん」

「レオの匂いするやつ」

レオが固まる。

数秒後。

耳がぴくりと動いた。

「それ着て寝る」

沈黙。

さらに数秒。

レオが顔を逸らす。

「……好きなの持っていけ」

声が少しだけ掠れていた。

「ありがとう」

唯衣が笑う。

レオは咳払いをした。

「唯衣」

「ん?」

「一番大きいやつ持っていけ」

「なんで?」

「そっちの方が俺の匂い、広面積で残ってる」

真顔だった。

唯衣は吹き出した。

その夜。

二人は別々の部屋で眠る。

けれど。

もう誰も、離れることは考えていなかった。

本編の裏側や、レオと唯衣の甘い日常をXで更新中です。

小説の合間の息抜きにどうぞ。

X「真壁レオは今日も重い」

@reo_yui_archive

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