レセプションパーティ5 御影綾乃
テラスで寄り添う二人を、
御影綾乃は遠くから見つめていた。
いや。
見つめることしかできなかった。
あの場所は、本来わたくしの場所だった。
幼い頃からそう教えられてきた。
宗家の隣に立つ者として。
真壁レオの伴侶となる者として。
そのために学び、
そのために努力し、
そのために生きてきた。
誰よりも強く。
誰よりも美しく。
誰よりも相応しい存在になれるように。
それなのに。
レオの隣にいるのは、
狼族ですらない人族の娘。
綾乃の指先が震える。
どうして、
どうして、あの子なの。
わたくしはこんなにも努力したのに。
わたくしはこんなにもレオ様を想ってきたのに。
なのにレオ様が向ける優しい眼差しも。
穏やかな笑顔も。
特別な声も。
すべてあの子に向けられている。
胸の奥が焼けるように痛い。
あの子さえいなければ。
その言葉が頭の中を何度も巡る。
あの子さえ。
あの子さえいなければ。
わたくしの場所を返して。
レオ様の隣はわたくしの場所だったのに。
感情が溢れる。
嫉妬。
執着。
喪失感。
絶望。
狼族の本能が制御を失い始める。
爪が伸びる。
瞳が金色に染まる。
牙が覗く。
気付けば綾乃は、
半ば獣人化した姿で息を荒げていた。
それでも視線だけは離せない。
テラスで幸せそうに笑う二人から。
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X「真壁レオは今日も重い」
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