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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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レセプションパーティ3 ダンスタイム

ダンスタイムが始まった。

会場のあちこちで、パートナーたちがフロアへ向かう。

柔らかな照明。

流れ始める軽快なワルツ。


そんな中。

レオが一歩前へ出た。

そして美しく騎士の礼をとる。

「お姫さま」

差し出された手。

澄んだ空色の瞳がまっすぐ唯衣を見つめる。

「どうか一曲、お相手願えませんでしょうか?」

周囲から小さな笑い声が漏れた。

唯衣も思わず笑う。

そしてドレスの裾をつまみ、

ゆっくりと膝を折る。

美しいカーテンシー。

「はい。喜んで」

その仕草に、

近くで見ていた人々から感嘆の声が上がった。

「綺麗……」

「まるで本物のお姫様みたい」

そんな囁きが聞こえる。

レオが唯衣の手を取る。

二人はゆっくりとフロア中央へ向かった。

音楽に合わせてステップを踏む。

軽快なワルツ。

レオのリードは滑らかで、

唯衣も自然と身体を預ける。


楽しい。

ただそれだけで笑顔がこぼれる。

一回転。

ドレスが夜空のように広がる。

レオが小さく尋ねた。

「カーテンシー、どこで覚えた?」

「あっ、昔おばあちゃまに」

唯衣が少し照れたように笑う。

「お作法の一つとして習ったの」

「そうか」

「でも実戦は初めてだったよ?」

レオがわずかに眉を上げる。

「あれ?ちゃんとできてなかった?」

レオは数秒答えなかった。

そのまま唯衣を見つめ軽快にステップを踏む。

「レオ?」

ようやく口を開く。

「……美しかった」

「え?」

「見とれた」

一瞬。

唯衣の頬が赤くなる。

「もう……」

「本当だ」

レオは平然と言う。

「会場の連中も見てた」

「またそういうこと言う」

「事実だ」

唯衣は困ったように笑った。

けれど、

レオの視線は最後まで逸れなかった。

まるで音楽も、

会場も、

何も見えていないみたいに、

ただ唯衣だけを見つめて踊り続ける。


何曲踊っただろう。

一曲。

二曲。

三曲。

もう数えるのをやめてしまった。

レオが誘うたび、

唯衣も笑いながら応じる。

音楽が変わる。

また踊る。

また笑う。

気付けば会場の誰よりも長くフロアにいた。

少しだけ足がもつれる。

限界が近い。

唯衣は小さく息を吐いた。

それに気付いたレオが引き寄せる。


「この曲で最後にする」

耳元で囁く声。

「楽しめ」

唯衣は笑った。

「うん!」

軽快な旋律。

最後のワルツ。

レオがリードする。

一回転。

二回転。

ドレスが夜空みたいに広がる。

その瞬間。

ふわり。

身体が浮いた。


「えっ!?」


気付けばレオの腕の中。

お姫様抱っこ。

そのままレオが回り始めた。

挿絵(By みてみん)


「レオっ!」

周囲から歓声が上がる。

拍手。

笑い声。

誰もが二人を見ている。

予想外のステップ。

戸惑う。

でも。

レオの腕は驚くほど安定していた。


自由に踊っていい。

自由に笑っていい。

そんな風に言われた気がした。


音楽が盛り上がる。

最後のサビ。

唯衣はレオを見た。


「レオ!」

「なんだ」

「最後、飛びたい!」


一瞬、

レオが笑った。


「仰せのままに」

次の瞬間。

レオが身体を支えたまま、

高く。

高く。

夜空へ向かって持ち上げる。

視界が開けた。

シャンデリアの光。

歓声。

音楽。

煌めく会場。

まるで本当に飛んでいるみたいだった。

嬉しい。

楽しい。

胸がいっぱいになる。

唯衣は声を上げて笑った。

その笑顔を見上げながら。

レオもまた、

静かに笑っていた。

周囲の観客たちから大きな拍手が沸き起こった。

けれどレオには聞こえていなかった。

今見えているのは、

楽しそうに笑う唯衣だけだった。

挿絵(By みてみん)

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