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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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レセプションパーティ1 始まり

旅行から半年が過ぎ、

今、私とレオは高層ホテル最上階にいてる。

ガラス張りの会場の向こうには、宝石を散りばめたような夜景が広がっていた。

煌めくシャンデリア。

弦楽器の生演奏。

静かな笑い声。

人族と獣人族。

政財界の要人たちがグラスを片手に談笑している。

『国際共生都市開発プロジェクト』成功記念レセプションパーティ。

真壁レオ率いるプロジェクトチームが、誰もが不可能だと思っていた共生都市構想を実現へ導いた。

その見事な成功を祝う席だった。

唯衣は、そっと息を吐く。

「……すごい人」

周囲を見渡しながら呟く。

その隣で、レオが不機嫌そうに眉を寄せた。

「帰りたい」

「ダメだよ、主役でしょ?」

「仕事は終わった」

「今日は挨拶するまでがお仕事です」

ぴしゃりと言い切られ、

レオが少しだけ唇を尖らせる。

その様子に、唯衣は思わず笑った。

挿絵(By みてみん)

今日の唯衣は深いネイビーのドレスを纏っていた。

レオが何か月も前から準備を進め、専属チームまで組んで仕立てた世界に一着だけのドレス。

唯衣の美しさを最大限に引き出すためだけに作られた特別な一着だった。

当然、視線が集まる。

人族の視線。

獣人族の視線。

特に獣人たちは観察する。

本能的に。

値踏みするように。

レオの機嫌がさらに悪くなった。

「レオ?」

「……見すぎだ」

「え?」

「周り」

唯衣がきょとんとする。

「せっかくレオが一生懸命作ってくれたドレスなのに?」

「……」

「ふふっ」

困ったように笑う唯衣を見て、

レオはますます不機嫌そうな顔をした。

その時だった。


「お久しぶりですわ、レオ様」

静かな声。

振り返る。

艶のある淡い茶金の髪。

洗練された美しいドレス。

そして狼族特有の強い気配。

御影綾乃。

周囲の空気がわずかに変わる。

誰もが知っている。

狼族名家・御影家の令嬢。

そして、

かつて真壁レオの婚約候補だった女性。

唯衣は自然に一歩下がろうとした。

下がるべきだと思った。

自分が立つ場所ではない気がした。

だが。

レオの腕が腰を引き寄せる。

「下がるな」

低い声。

有無を言わせない響き。

唯衣の身体が再びレオの隣へ戻る。

「お前が下がる理由はない」

はっきりとした言葉だった。

綾乃の瞳がわずかに揺れる。

「……相変わらずですのね」

「お前もな」

空気が静かに冷える。

それでも綾乃は優雅に微笑んだ。

「本日はご成功、おめでとうございます」

「ありがとう」

「隣の方が、噂の……?」

そこで初めて、

綾乃の視線が唯衣へ向く。

冷たい。

鋭い。

値踏みするような瞳。

唯衣は小さく会釈した。

「白石唯衣と申します」

丁寧に頭を下げる。

その瞬間。

綾乃の胸の奥で何かが静かに軋んだ。

狼族ですらない。

ただの人族。

自分より血筋もない。

立場もない。

獣人社会での後ろ盾もない。

なのに。

レオ様の視線が、

あまりにも優しい。

その事実だけが、

綾乃の心を静かに傷つけていた。

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