夏 リゾート地へ8 水着選び
「ふぅ、、唯衣」
レオは、 まだ少し理性と戦ってる顔のまま、 小さく息を吐いた。
「夕食まで時間あるし……プール行かないか?」
すると唯衣の顔が、 ぱっと明るくなる。
「うん!行く!」
「レオ、浮き輪とか借りれるかな?」
もう完全に旅行モードだ。
さっきまで甘くとろけていたのに、 今は子供みたいにはしゃいでいる。
その切り替えが、 またかわいい。
「たぶんある」
レオはそう答えながらも、 内心、浮き輪とかどうでもよかった。
プール。
つまり、 水着。
つまり、 俺が見たかった水着。
見たい。見たい。見たい。
すごく見たい。
そして脱がせたい。
脱ぐのを拒むかわいい唯衣も見たい。
そんなレオの脳内とは裏腹に
唯衣は楽しそうに立ち上がる。
「レオ、水着なんでもいい?」
「レオと色合わせようかな?」
洗面所へ向かいながら、 振り返って聞いてくる。
その瞬間。
「俺が選ぶ!!」
レオ、 ものすごい勢いで立ち上がった。
ソファが揺れるレベル。
そのまま荷物へ直行し、 真剣な顔で水着を漁り始める。
「こっちか……いや……」
「でもこれも……」
「待て、並べると破壊力が……」
「嫌々、待て待て。ここで俺の理性が切れたら後半の唯衣とのプランが···」
完全に悩み始めてる。
唯衣は思わず吹き出した。
「レオ、早い!」
「だって重要」
真顔。
耳ぴこぴこ。
しっぽぶんぶん。
全然隠せてない。
唯衣はケラケラ笑いながら、 そんなレオを眺める。
レオが選んだのは、 薄いグリーンのスカート付き水着だった。
肩から胸元へ斜めに流れるような、 大きなフリル。
露出を強調するというより、 洋服に近い柔らかなデザインだ。
もちろん、 スカート付き。
レオは、 、 欲望に勝ったのだ。
“妖精みたいにかわいい” そんな雰囲気の方が理性を保っていられるという判断。
「……かわいい」
着替えを終えて出てきた唯衣を見た瞬間、 レオは数秒止まった。
ふわりと揺れる薄緑。
透けるような白い肌。
海の光を映したみたいな透明感。
完全に、 夏の妖精だった。
次の瞬間。
カシャ。
カシャカシャ。
カシャッ。
「レオ?」
「動かないで」
真顔。
レオは例の超高性能カメラを構えたまま、 唯衣を余すところなく撮り始める。
窓際。
振り向いた瞬間。
髪を耳へかける仕草。
笑った顔。
困った顔。
全部撮る。
結果。
部屋の中だけで、 水着写真が20枚を超えた。
「レオ、撮りすぎじゃない?」
唯衣が笑うと、 レオは満足げにデータを確認している。
「全部必要」
必要らしい。
そのまま2人は、 プールサイドへ向かった。
このフロアは完全貸切。
もちろん、 プールも2人だけ。
誰の視線もない。
聞こえるのは、 風と水の音だけだ。
「レオ!早く!」
唯衣は楽しそうに、 レオの手を引っ張っていく。
まるで子供みたいに嬉しそうで、 その笑顔を見ているだけで、 レオまで幸せな気持ちになる。
たぶんこの旅行、 どんな景色より、 唯衣が楽しそうに笑う瞬間を見るために来ている。




