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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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真壁レオ2

いつものように、山積みの書類に目を通す。

出し戻し。

決裁。

否決。

機械的に振り分けていく。

会議も、資料作成も、俺にとってはゲームみたいなものだ。

必要な情報を拾い、

無駄を削ぎ、

最短で最適解へ辿り着く。

ただそれだけ。

都市設計も空間演出も、本質は攻略に近い。

そんな中。

一枚の書類に視線が止まった。

……綺麗だ。

簡潔。

無駄がない。

要点整理も正確。

視認性が高く、付箋位置も完璧。

思考の流れが自然に頭へ入ってくる。

空間演出課からの申請書類だった。

今まで気付かなかったわけじゃない。

だが最近、同じ感覚の書類が増えている。

名前までは見ていなかった。

特に問題もなかったため、そのまま決裁印を押す。

妙に気分が良かった。

数日後。

また同じだ。

空間演出課。

また決裁を押す。

そんなことが、一ヶ月ほど続いた頃。

小さな数値のズレが目についた。

他の人間なら見逃す程度の誤差。

だが気になった。

俺は自ら空間演出課へ向かった。

「この書類を作成したの誰だ?」

室内の空気が止まる。

全員がこちらを見た。

……面倒だ。

人族はすぐ騒ぐ。

そう思った瞬間。

一人の女が近づいてきた。

「わたしです。何か不備でもありましたか?」

顔を見た瞬間。

心臓が跳ねた。

息が浅くなる。

耳の奥が熱い。

まずい。

耳と尾が出そうになる。

反射的に咳払いをする。

「……この数値、少しズレてる」

絞り出せたのは、それだけだった。

「申し訳ありません。すぐ訂正して再提出いたします」

彼女は丁寧に頭を下げ、書類を受け取る。

それだけ。

それだけで、自席へ戻っていった。

……は?

拍子抜けした。

追ってこない。

話しかけてこない。

媚びない。

騒がない。

なんでだ。

気付けば、帰っていく後ろ姿を目で追っていた。

見れば見るほど、本能がざわつく。

まずい。

本当にまずい。

俺は逃げるように統括室へ戻った。

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