レオの発情3
「謝ること、何もないよ」
唯衣は優しく笑った。
「レオが苦しいなら、助けたいって思ってる」
その言葉に、 レオの耳が小さく揺れる。
そして静かに隣へ近付き、 唯衣を抱き寄せた。
大きな身体が、 どこか安心したみたいに寄りかかってくる。
「……唯衣、嬉しい」
小さい声。
少しだけ恥ずかしそうな響き。
そのままレオは、 肩に顔を埋めながら、 ゆっくり話し始めた。
獣人の発情について。
自分の今までの発情期。
獣人族のための抑制剤。
個体差の話。
休暇制度のこと。
レオは、春に発情はするが、昔からかなり軽い方だったという。
「今までは、発情してるのかも分からないくらい軽かった。春になると少し身体が熱いかな、くらいで。」
「だから今年も、そのうち収まると思ってた」
そこまで話して、 レオは少し言葉を止めた。
「……でも最近、唯衣がすごく求めてくれるだろ?昨日とか…」
低い声。
耳が少しだけ伏せられている。
「俺、それが嬉しくて」
「求めてもらえる幸せっていうか……」
「そういう感覚が、なんかを満たしてくれる感じで」
「……恥ずかしくて言えなかった」
最後の方は、 ほとんど唯衣の肩に顔を隠していた。
唯衣はそんなレオの髪を、 そっと撫でる。
「……ひどくなったりするの?」
小さく問いかける。
「もしかして、わたし以外にも求めたりしたりする?」
その瞬間。
レオが勢いよく顔を上げた。
「それはない」
即答。
迷いゼロ。
「絶対ないって言い切れる」
真っ直ぐな声。
レオは唯衣を見つめたまま、 しっかりした口調で続ける。
「家に帰って、唯衣を見ると身体が熱くなるんだ」
「だからこれは、普通の発情だけじゃない」
「……唯衣だから」




