プロジェクトチーム1
大型冬季都市開発コンペ。
NEXUS PROJECTS第五統合にとって、過去最大級の案件だった。
そのため、選抜チームが組まれる。
各部署から精鋭が集められた。
そして。
空間演出課から選ばれたのは、白石唯衣。
「……え、わたしですか?」
驚く唯衣に、朝倉が笑う。
「君の資料構成力、アシスタント力、かなり評価高いよ」
千景も頷いた。
「頑張ってきな」
嬉しかった。
怖かった。
でも。
認めてもらえた気がした。
その頃、統括室。
レオの前には別件の大型案件資料が積み上がっていた。
第五統合全体を左右する重要案件。
統括管理官であるレオは、その中心へ入る。
つまり、二人とも、“地獄”が始まる。
最初の一週間は、まだよかった。
短時間でも会えた。
送り迎えも少しできた。
でも。
二週間。
三週間。
徐々に時間が噛み合わなくなる。
唯衣が帰る頃には、レオは会議。
レオが空く頃には、唯衣が作業室。
同じ会社にいるのに、会えない。
メッセージだけが増えていく。
『ちゃんと食べろ』
『レオもね』
『帰り寒いから気をつけて』
『レオこそ』
『寝た?』
『今から寝るところだよ』
短い。
でも、その一言だけで救われる。
ある日の深夜。
第五統合の廊下。
偶然。
本当に偶然だった。
資料を抱えた唯衣と、会議帰りのレオが鉢合わせる。
数秒、お互い固まる。
会いたかった。
でも先に出た言葉は。
「……頑張ってるな」
だった。




