真壁レオ18 初デート4
唯衣をソファへ座らせる。
「適当にくつろいでて」
「うん、ありがとう」
唯衣が、 嬉しそうに部屋を見回す。
その姿を見ているだけで、 胸が苦しい。
レオは、 逃げるようにキッチンへ向かった。
落ち着け。
落ち着け俺。
夕飯は外で軽く済ませた。
つまり今、 部屋にあるのは。
ウィスキー。
コーヒー。
水。
以上。
終わってる。
レオは、 静かに頭を抱えた。
(……いや、 なんでハーブティー置いてないんだ)
ミント。
カモミール。
紅茶でもいい。
なんならかわいいマグとか。
そういうの、 普通あるだろ。
なぜ俺の家、 ブラックコーヒーと酒しかないんだ。
棚を開ける。
ウィスキー。
またウィスキー。
終わり。
(酒出したら、 下心あると思われるだろ……!)
いや。
ある。
下心はある。
好きな女が、 夜、 自分の家にいる。
ない方がおかしい。
でも。
だからこそ、 出せない。
レオは、 深くため息をつき、 結局コーヒーを選んだ。
豆を挽く音が、 静かな部屋へ響く。
少しだけ、 落ち着く。
……はずだった。
「レオー?」
リビングから、 唯衣の声。
柔らかい。
甘い。
好き。
レオの耳が、 ぴくりと動く。
「……なに」
「キッチン広いねー」
「そう?」
「あと、 レオの匂いする」
「……………………」
終わった。
白銀狼、俺、 死亡。
レオは、 片手で顔を覆った。
無理。
ほんと無理。
好きな子が、 無防備すぎる。




