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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第二章

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幸せの続き2 真壁レオ

食堂に着くと、

もうじぃさんと景がいた。

唯衣が挨拶したいというので、

一度床へ降ろす。

転ばないよう、

そっと背中へ手を添えた。


「お祖父様、遅くなり申し訳ありません」

唯衣が綺麗に頭を下げる。

その隣で俺も口を開いた。

「じぃさん」

「挨拶、遅くなってごめん」

「昨日帰ってきた」


その瞬間。


じぃさんと景が固まった。


いや。

固まるどころじゃない。

二人とも獣人化している。

じぃさんの獣人化なんて、

今まで見たことがない。

白銀の尻尾はぶわっと逆立ち、

目もこれ以上ないほど見開かれていた。

景も負けていない。

大きな漆黒の羽を目一杯広げている。

羽の先がじぃさんに当たっているが、

気付いてすらいないようだ。


「い、今……謝ったのか!?」


じぃさんの声が震えている。


「若……成長なさいました」


景は感極まったように呟いた。


いつもなら泣き真似だ。

だが今日は違う。

目には本当に涙が浮かんでいる。


何なんだ。

二人とも大袈裟だろう。


「唯衣ちゃんと一緒になってから、

驚かされっぱなしだ」

じぃさんがしみじみと呟く。

そして

「唯衣ちゃん」

「レオを人にしてくれてありがとう」

そう言って頭を下げた。

唯衣はきょとんと目を丸くする。

「そんな……」

少し困ったように笑ってから、

俺を見る。

「わたしの方が、

レオさんに色々な気持ちを教えてもらってます」

優しい声だった。

「感謝しているのは、わたしの方です」

そう言って微笑む。

その笑顔を見ているだけで。

胸の奥が静かに満たされていく。


あぁ。

帰ってきてよかった。

心の底からそう思った。


「さぁ」

じぃさんが柔らかく笑う。

「席について食事にしよう」

その言葉に全員が頷いた。


食事をしながら、

向こうでの生活や仕事の近況を

簡単に報告した。

NPAは順調だ。

今日からはこちらで

リモート対応することも伝える。

そして

本題を切り出した。


「俺、家に帰りたい」

食堂が静まり返る。

「唯衣と二人だけの生活をしたい!」

真剣に訴えた。

だが


「ダメじゃ」


「却下です」


「認められません」


次々と反対の声が飛んでくる。

何故だ。

四ヶ月も離れていたんだぞ。

当然だろう。

俺は必死に訴えた。

二人で暮らしたい。

朝も夜も一緒にいたい。


それの何が悪い。

しかし

返ってきたのは説得だった。

それも全方向から。

唯衣がどれだけ大切にされているか。

どれだけ屋敷のみんなが支えてきたか。

四ヶ月間の話を次々聞かされる。


そして最後。

判断は唯衣へ委ねられた。

「唯衣ちゃん」

じぃさんが優しく問いかける。

「お前はどうしたい?」

唯衣は少し考えたあと、

静かに微笑んだ。

「レオの居ない四ヶ月……

みなさまのおかげで

折れずに済んだんだと思っています」

「感謝しかありません」

その言葉に、

屋敷のみんなの表情が柔らかくなる。

そして

唯衣は俺を見た。

「わたしはレオが側にいてくれるなら、

どこでも良いです」

一瞬。

帰れると思った。

だが。

「うむ」

じぃさんが大きく頷く。

嫌な予感しかしない。

「では、ここで今まで通りじゃ」

「ご迷惑ではありませんか?」

唯衣が尋ねる。

「迷惑なんぞ微塵もない」

じぃさんは即答した。

そして。

「レオが帰ってきたのでわたしはどこでも」

そう続けた唯衣の言葉は、

誰にも届かなかった。

「これからも継続じゃ」

じぃさんが断言する。

「景、皆にそう伝えよ」

「かしこまりました」

話が終わった。

俺の意見だけ置き去りにされたまま。

納得がいかない。

全く納得がいかない。

だが。

隣を見る。

唯衣が嬉しそうに笑っている。


……まぁ、いいか。

少しだけ。

本当に少しだけだが。


食事を終えた頃。

俺は気になっていたことを口にした。

「じぃさん」

じぃさんが顔を上げる。

「泰山のじじぃと雫を呼んで

聞いてもらいたい話がある」

「うむ?」

じぃさんが眉を上げた。

「急いだ方がいい話か?」

「いや」

俺は首を横に振る。

「今日明日でどうなる話じゃないと思う」

だが。

早めに聞いておいた方がいい。

俺は思わず口角を上げた。

「面白いことになりそうなんだ」

じぃさんが目を細める。

その顔は完全に警戒していた。

「……レオ」

「なんだ?」

「お前がそういう顔をするときは、

大体ろくでもない」

「……失礼な」

俺は小さく鼻を鳴らした。

「景」

じぃさんが低い声で呼ぶ。

「はい」

「泰山と雫へ連絡を入れろ。

時間を作って早急に屋敷へ来るよう伝えよ」

「かしこまりました」

景は一礼すると、

音もなく部屋を出て行った。

俺はその背中を見送りながら、

再び口元を緩める。

泰山のじじぃが、

俺と唯衣の姿を見てどんな顔をするか。

……今から少し楽しみでならない。

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