再会 四ヶ月を埋める1
本日4話投稿予定です。
最後までお付き合い下さいませ。
大好きな人の腕の中にいる――。
そんな奇跡が信じられなくて、
嬉しくて、
離れたくなくて、
わたしはさっきよりもずっと
強くレオの首に腕を回した。
溢れてくる涙で、
視界がぼやけていく。
あ……午後の案件、
頼まれていた資料、
クライアントへの連絡……
やらなきゃいけないことが
次々と頭をよぎる。
今日の研修は、ビジネス英語だっけ。
レオに会えた喜びと、
社会人としての自分。
二つのスイッチがうまく切り替わらなくて、
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
「帰るぞ」
その短い言葉に、
わたしは泣きながら頷くことしかできない。
もう、本当に離れるのは嫌なの。
今日は……許して。
明日千景さんに謝ろう……
レオはわたしを抱きかかえたまま、
慣れた足取りで車へ乗り込んでくれた。
四ヶ月の不在を埋めるように、
その腕はわたしの身体を強く、
執拗に守り抜こうとしている。
「おかえり……」
うまく呼吸ができない。
声は震えていたけれど、
レオには伝わったみたい。
彼はわたしの瞳を覗き込み、
これ以上ないほど優しい眼差しを
向けてくれた。
レオがそっとキスをくれる。
触れるだけの、甘くて短い触れ合い。
でも、四ヶ月という空白を埋めるには
足りない。
もっと、もっとレオを感じたい。
夢じゃないという証が欲しくて、
わたしは何度も彼の唇を強請った。
屋敷に着いても、
わたしは離れるのが怖くて、
彼のシャツを握りしめて
ぎゅっと抱きついたままだった。
するとレオは、
わたしの耳元で低い声を落とす。
「唯衣、このまま部屋に行く」
「……お前を喰う」
ゾクリとするほど熱い吐息。
「今日は優しくしてやりたいが、無理だ」
耳元で響くその掠れた声に、
わたしの理性は音を立てて崩れ去った。
怖いなんて少しも思わない。
むしろ、早くそうしてほしいと
願う自分の身体が
熱くて
恥ずかしくて
たまらなくなる。
寝室までの道が、
まるで永遠のように長く感じられた。
レオの腕に抱かれ、
その荒い心拍を肌に直接感じていると、
四ヶ月という空白が、
まるで嘘だったみたいに溶けていく。
使用人たちが頭を下げ、
道を開けていくのが視界の端に見えるけれど、
今のわたしには何も目に入らない。
レオの瞳の中にある、
自分だけを映す熱い情熱に、
わたしはもう溺れることしかできない。
寝室の扉の前で立ち止まった瞬間、
レオの手が静かにドアノブを回した。
重厚な木製の扉が音もなく開き、
いつもの寝室が姿を現す。
「……やっとだ」
部屋に入り、
レオがそっとわたしをベッドへと下ろした。
けれど、腕は離してくれない。
そのまま覆い被さるようにして、
彼の重みと体温がわたしの全身を支配する。
「唯衣」
名前を呼ばれただけで、
身体の芯がとろけるように熱くなる。
レオの瞳が、
金色に変わっていくのを、
わたしは見つめることしかできない。
理性を失いかけた彼の視線に射抜かれ、
わたしはレオの胸元をぎゅっと掴んだ。
拒むなんて、
そんな選択肢はどこにもない。
むしろ、
四ヶ月間ずっと渇望していたこの瞬間を、
喉から手が出るほど求めていたのだから……
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X「真壁レオは今日も重い」
@reo_yui_archive




