白石家に挨拶に行く5
四人で夕食を終える頃には、
すっかり外は暗くなっていた。
楽しい時間はあっという間だった。
「そろそろ帰るね」
そう告げる。
母は少し寂しそうに笑った。
「また帰ってきてね」
「あなたたちの家なんだから」
父も頷く。
「レオくん」
「はい」
「気を付けてな」
「嫌になったら辞めたらいい」
真顔だった。
レオが思わず笑う。
「ありがとうございます」
深く頭を下げた。
母も笑う。
「そうそう」
「身体が一番大事よ」
二人とも、
まるで同じことを言っている。
そんな両親を見て、
少しだけ目頭が熱くなった。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
温かな声に見送られながら、
二人は家を後にした。
車が走り出す。
しばらくして
レオがぽつりと呟いた。
「温かい家族だな」
「うん」
わたしは家族を認めてもらえた様で
嬉しくなった。
「唯衣が三人いた」
「え?」
首を傾げた。
「そう?」
「うん」
レオは笑う。
「お義母さんも」
「お義父さんも」
「唯衣みたいだった」
わたしは少し考えて。
「それは褒めてる?」
「もちろん」
即答だった。
車内に笑い声が広がる。
そして
レオは前を見たまま言った。
「唯衣」
「ん?」
「このまま役所行く」
「うん!」
満面の笑みだった。
「レオのお嫁さんになる記念日だね!」
その言葉に
レオの耳が少し赤くなる。
そして
真面目な顔で宣言する。
「白石唯衣は」
レオがちらりと視線を向ける。
「真壁レオを」
「生涯かけて幸せにします」
数秒の沈黙。
レオが何か言おうとした瞬間。
ちゅっ。
運転中のレオの頬へ、
そっと口づける。
レオが固まった。
「唯衣」
「なに?」
「危ない」
そう言いながら
嬉しそうだった。
そんなレオが
愛しくて
可愛くて
大好きで…。
窓の外には夜の景色が流れていく。
これから先、
楽しいことも。
苦しいこともあるだろう。
それでも
二人は同じ未来を見ていた。
その日
わたし、
白石唯衣は真壁唯衣になった。
フォトウエディングより
いつもお読み頂きありがとうございます。
Xにてフォトウエディング
公開中!
ぜひそちらも覗いて見て下さい。
いいね、お気に入り登録して頂けると
執筆の励みになります。
ぜひ宜しくお願いします。




