白石家に挨拶に行く4
「レオくん」
夕暮れの縁側で
お義父さんがゆっくり口を開いた。
「少し二人で話さないか?」
「はい」
俺は素直に頷く。
リビングでは
唯衣とお義母さんが夕食の準備をしている。
時折聞こえてくる笑い声が心地良かった。
縁側へ腰を下ろす。
少し肌寒い春の風が吹き抜けた。
しばらく庭を眺めていたお義父さんが、
ふと口を開く。
「レオくん」
「はい」
「車だよな?」
「はい」
「そっかぁ」
お義父さんは少し残念そうに笑った。
「一緒に呑めないなぁ」
「残念」
俺は目を瞬く。
そして。
「付き合います」
真顔で答えた。
「代行業者を呼びます」
「いやいや!」
お義父さんが慌てて手を振る。
「いいよ、いいよ!」
「今日はいい」
そして少し照れくさそうに笑った。
「今度な、必ず一緒に呑んでくれ」
「息子ができたらやってみたいこと、
結構あったんだ」
瞳が少し揺れる。
「全部やります」
即答だった。
お義父さんが目を丸くする。
「お義父さんと全部やります!」
しばらく沈黙。
そして。
お義父さんの顔が一気に崩れた。
「いいねぇ!」
嬉しそうに笑う。
「もう一回、呼んでみてよ?」
完全にねだっていた。
俺は少し照れながら
それでも真っ直ぐに答える。
「お義父さん」
「うん!」
満足そうだった。
二人で思わず笑ってしまう。
しばらくして。
お義父さんが庭を眺めながら言った。
「唯衣」
「はい」
「ワガママだろ?」
俺は思わず笑った。
「隠れワガママなんだ」
お義父さんも笑う。
「結局、自分の望む方向へ
持っていくからな」
リビングから聞こえる唯衣の声。
それだけで二人とも少し笑った。
だが
ゆっくり首を横に振る。
「いえ」
お義父さんが視線を向ける。
少しだけ考えて。
静かに答えた。
「支えてもらっています」
その声は穏やかだった。
「いないと駄目になるのは」
少しだけ笑う。
「きっと俺です」
お義父さんは何も言わなかった。
ただ
どこか安心したように頷く。
そして
空を見上げながら笑った。
「男はみんなそうだよ」
その言葉に。
俺も小さく笑った。
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X「真壁レオは今日も重い」
@reo_yui_archive




