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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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白石家に挨拶にいく1

翌日。

わたしたちは午後半休を取ることにした。

父が仕事で、

夜なら帰宅しているらしい。

母は専業主婦だけれど毎日忙しくしている。

急な帰省にも拘わらず、

快く迎えてくれた。

午前中は通常通り出勤する。

ただし

レオは通常ではなかった。

異常なほど機嫌が良い。

しかも仕事まで速い。

第五統合のメンバーが少し引くほどに。

「何かあったな」

「絶対あった」

「白石さん絡み」

「白石さんに何か言われたに昼ごはん賭ける」

「全員白石さんに賭けたら賭けにならない!」

あちこちから好き勝手な推測が飛び交う。

レオ本人は気にもしていない。

機嫌良く仕事を片付け続けている。

そんな中

千景さんがそっとわたしの席へやって来た。

「唯衣ちゃん」

「はい」

「統括、何かあった?」

千景さんは肩を抱いて身体を震わせる。

「すごく機嫌が良いのよ」

「ちょっと寒気がする」

思わず噴き出してしまう。

「実は……」

少し照れながら答えた。

「昨日、プロポーズしたんです」

数秒の沈黙。

「した?」

千景さんが瞬きをする。

「唯衣ちゃんから?」

「はい」

即答だった。

千景さんは天井を見上げる。

「やっぱり」

何故か納得していた。

「それで今日の夕方から、

わたしの実家に挨拶へ行くことになってて」

小さく笑う。

千景さんはしばらく黙っていた。

そして。

ぽんぽんと優しく頭を撫でる。

「唯衣ちゃん」

その声はとても優しかった。

「人生の節目をよく決断したわね」

「頑張った」

胸の奥が少し熱くなる。

「ありがとうございます」

千景さんは微笑んだ。

「統括のこと」

少しだけ困ったように笑う。

「貴女しか無理よ」

わたしは思わず噴き出した。

否定できなかった。

「頼むわね」

「はい」

今度はしっかり頷く。

千景さんは満足そうに微笑んだ。

その笑顔を見ていると。

まるで家族に

祝福してもらえたような気持ちになった。

胸の奥が、じんわりと温かかった。


ある程度仕事に目処をつけると、

パソコンの電源を落とした。

「千景さん、それでは本日は退社します」

「オッケー!」

「お疲れ様~」

「気を付けてね」

「はい」

立ち上がり、一礼する。

「失礼します」

挨拶を終えると、

エントランスへ向かった。

すると

レオはすでに待っていた。

「早い」

思わず笑う。

「車、回してある」

当然のように言う。

そして

「どうぞ」

まるでお姫様を迎えるように手を差し出した。

わたしは思わず周囲を見回す。

ここはまだ会社だ。

同僚もいる。

視線もある。

「統括」

小さな声で注意する。

「ここ、まだ会社」

すると

レオは少しだけ首を傾げた。

「明日には夫婦かもしれないのに」

真顔だった。

意味が分からない。

そして

気付く。

レオの顔が近い。

近い。

近い。

「ダメ!レオ!」

思わず家での口調が飛び出した。

その瞬間。

周囲が静かになる。

「あっ……」

固まった。

恥ずかしい。

とても恥ずかしい。

レオは一瞬目を丸くしたあと

噴き出した。

「ははっ」

楽しそうに笑う。

そして

真っ赤な顔を両手で覆っている

わたしの腰を抱いて、

自然に手を回した。

「行こう」

そのままエスコートされる。

わたしは顔を両手で隠したまま、

車まで連れて行かれた。

車へ乗り込んだあとも

レオの機嫌は天井知らずだった。

「唯衣」

「ん?」

「何か食ってから行く?」

「指輪も買わないとな」

「ドレスはどんなのがいい?」

「式場は?」

「やばいな」

レオは真剣な顔で考え込む。

「じぃさんに相談して」

「真壁家のお針子借りるか」

もう止まらない。

完全に暴走している。

思わず笑った。

昨日

泣いていた人とは思えない。

けれど

それだけ嬉しいのだろう。

身体中から幸せが溢れている。

そんなレオを見ていると

わたしまで嬉しくなってしまう。

窓の外には柔らかな春の日差し。

二人を乗せた車は、

ゆっくりと白石家へ向かい始めた。

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