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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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唯衣が怒ってる訳3

レオが少し落ち着いた頃。

唯衣はそっと身体を離そうとした。

だが

長い腕が離してくれない。

ぎゅうっと抱き締められたままだ。

「レオ」

「話をしよ?」

優しく声をかける。

「俺は離れない」

くぐもった声が返ってきた。

「レオから離れるつもりないよ」

唯衣が苦笑する。

すると

「今、離れようとした」

拗ねたような声が返ってきた。

思わず笑ってしまう。

「ふふっ」

「レオ」

「ちゃんと話したいだけ」

そう言いながら背中を撫でる。

しばらくすると

ようやく腕の力が少しだけ緩んだ。

唯衣はそのままレオの手を握る。

そして。

「今日ね」

静かに話し始めた。

「秘書課の人に呼び止められたの」

レオが首を傾げる。

「一ヶ月後にレオと一緒に

海外で暮らすって言われた」

沈黙。

数秒。

レオは瞬きを繰り返した。

そして

「俺が?」

真顔だった。

「誰と?」

「え?」

唯衣も固まる。

「秘書課の綺麗な人……」

「俺が?」

「唯衣じゃなくて?」

レオの眉が上がる。

「人族の女と?」

「ありえない」

即答だった。

「えっ?」

今度は唯衣が混乱する。

「だって、その方」

「もう決まってるって……」

「内示も出てるし」

「会社が二人で住む家も決めたって……」

レオは完全にフリーズした。

「……」

「……」

そして。

「誰だそいつ」

ものすごく低い声が出た。


「ふぅ…」

レオは一度身体中の空気を出す。

「唯衣、海外勤務の話があったのは本当だ」

レオは正直に答えた。

「でも断った」

「俺は今の生活が気に入ってる」

「第五統合のメンバーも好きだ」

「もちろん、お前との生活も」

唯衣は小さく頷く。

「うん」

「それは分かってる」

レオが少し安心した顔をした。

けれど

唯衣は首を横に振る。

「でもね」

「わたしがいなかったら」

「レオ、きっと受けてたと思うの」

レオが黙る。

否定しなかった。

否定できなかった。

「わたし偽番薬のことがあって」

「本当に苦しかった」

唯衣はレオの手を握る。

「でも」

「そこからレオがずっと

わたしの傍にいてくれて

すごく嬉しかったの」

「だけど時々ね」

少しだけ視線を落とす。

「償いみたいにも感じるの」

静かな声だった。

レオの肩が僅かに震える。

「わたしたち」

「今のままじゃダメだって思う」

「海外勤務の話もレオから聞きたかった」

「断ったから終わりじゃなくて」

「どう思ってたのか知りたかった」

唯衣は真っ直ぐレオを見る。

「わたし」

「話してくれなかったことにも腹が立ってるの」

「それはごめん」

レオは小さく俯いた。

「一緒にいたくって……」

その声に。

唯衣は少しだけ笑う。

「わたしたち」

そっとレオの頬に触れた。

「ずっと一緒にいる約束してるよ」

レオが顔を上げる。

「おばあちゃんになっても」

「一緒にビデオを見て」

「その時にもちゃんと

好きだって言ってくれるんでしょ?」

涙で濡れた水色の瞳が揺れた。

「だから」

唯衣は優しく微笑む。

「レオ」

「海外行ってきていいよ」

沈黙。

レオが瞬きをする。

「……え?」

完全に固まっていた。

唯衣は続ける。

「わたし決めたの」

「この春の内部研修で」

「秘書課コースとビジネス英語コースを受ける」

レオの目が大きくなる。

「一年」

「一年で追いかける」

そして。

唯衣はレオの手をぎゅっと握った。

「レオの専属秘書として」

「唯衣」

レオは真剣な顔で首を横に振った。

「俺は絶対耐えられない」

「え?」

「唯衣は平気?」

水色の瞳が真っ直ぐ向けられる。

「一緒にいられないの」

「耐えられる?」

唯衣は少し考えた。

寂しい。

きっとすごく寂しい。

でも。

「堪えたいと思う」

レオの手を握る。

「寂しくなったら会いに行く」

「週末なら飛行機で行けるでしょ?」

その瞬間だった。

唯衣の目からぽろりと涙が零れた。

「だから……」

「秘書の人とは一緒にいないで……」

声が震える。

「レオの傍は」

「わたしの場所だから」

レオが目を見開く。

そして次の瞬間。

即答だった。

「当たり前だろ」

迷いなど一切ない。

「唯衣しかいらない」

ぎゅっと抱き寄せる。

「それに」

レオは少し眉をひそめた。

「俺、秘書取らないよ」

「え?」

「俺、有能だし」

真顔だった。

唯衣が瞬きをする。

「それに」

レオは当然のように続ける。

「人族の女なんか邪魔なだけ」

「仕事増える」

あまりにもレオらしい理由だった。

唯衣は思わず吹き出した。

「ふふっ」

「なにそれ」

「本当だ」

レオは真顔のまま答える。

「唯衣なら別だけど」

「唯衣が俺の秘書とかヤバい」

何かを想像して

レオがすごい喜んでいる。

本編の裏側や、レオと唯衣の甘い日常をXで更新中です。

小説の合間の息抜きにどうぞ。

X「真壁レオは今日も重い」

@reo_yui_archive

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