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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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真壁家に挨拶に行く5

しばらく穏やかな時間が流れたあとだった。

玄狼が静かにカップを置く。

銀灰色の瞳がレオへ向けられた。

先ほどまでの祖父の顔ではない。

真壁家当主としての顔だった。

「さて」

低い声が部屋に響く。

「結婚の話じゃ」

唯衣の背筋が自然と伸びた。

玄狼は続ける。

「唯衣さんを伴侶に迎えることに異論はない」

「じゃが」

その一言で空気が変わる。

「人族ということは子ができん」

「お前はいずれ真壁家当主となる身じゃ」

玄狼はレオを真っ直ぐ見据えた。

「レオ」

「お前の考えを聞こう」

沈黙。

レオは視線を逸らさない。

「俺は」

ゆっくり口を開く。

「真壁家当主の前に、一人の男だ」

唯衣の手を握った。

「俺は唯衣と生きたい」

「これから先の人生も」

「その先も」

「ずっと一緒にいたい」

迷いのない声だった。

「当主を降りろと言うなら降りる」

「破門だと言うなら受け入れる」

「そのくらいの覚悟でここへ来た」

レオは玄狼を見据える。

「お前を破門にはせん」

玄狼は即座に答えた。

その声に迷いはなかった。

レオの眉がわずかに動く。

「じゃが当主はどうする?」

玄狼は静かに腕を組んだ。

「お前」

「答えもないまま、

ここへ来たわけではあるまい」

そして

「だから聞いておる」

「お前の考えを」

レオは揺るがない。

「俺の代で、

分家から最も優秀な者を養子に迎える」

レオは迷いなく言った。

「俺と唯衣で育てる」

「次代の当主としてな」

部屋が静かになる。

玄狼は腕を組んだまま目を閉じた。

「……ふむ」

低く唸る。

だがその銀灰色の瞳は、

わずかに細められていた。

「養子、か」

「血の繋がらぬ者を真壁の長に据える」

「本家の年寄りどもが騒ぐぞ」

レオは肩を竦めた。

「騒がせておけばいい」

「最終的に結果を出せば黙る」

玄狼の眉がぴくりと動く。

「その者が当主を望まなかったらどうする」

「別の人材を探す」

即答だった。

「俺が残したいのは血筋じゃない」

「真壁家そのものだ」

沈黙。

玄狼は再び目を閉じる。

内心では。

(おお……)

(よく考えておる)

(しかも筋が通っておる)

だった。

だが顔には出さない。

まだ長としての確認は終わっていない。

「唯衣さん」

突然話を振られ、 唯衣が背筋を伸ばした。

「は、はい」

「お主はどう考えておる」

唯衣は少しだけ迷った。

けれど。

握られているレオの手が温かい。

「わたしは……」

「レオさんの隣にいたいです」

玄狼は黙って聞いている。

「でも」

「レオさんが大切にしているものも、

一緒に守りたいと思っています」

「まだ知らないことばかりです」

「だから勉強します」

「逃げません」

真っ直ぐな声だった。

玄狼はゆっくり息を吐く。


そして

「景」

静かな声で呼んだ。

「はい」

景が一歩前へ出る。

「聞いたな」

「聞いておりました」

「準備を進めよ」

景の口元がわずかに緩む。

「かしこまりました」

レオが目を瞬いた。

「……は?」

玄狼はそんな孫を見て鼻を鳴らす。

「何じゃ」

「何じゃ、ではない」

「もっと反対されると思ってた」

玄狼は呆れたように眉をひそめた。

「馬鹿者」

そして

銀灰色の瞳を優しく細める。

「わしが反対する理由がどこにある」

「お前が選んだ相手だぞ」

一瞬

レオが言葉を失った。

玄狼はふっと笑う。

「素敵な女性だな」

「それでこそ、わしの孫じゃ」

レオは思わず苦笑した。

もっと揉めると思っていた。

もっと反対されると思っていた。

けれど

玄狼は最初から答えを

決めていたのかもしれない。

レオは唯衣の手を握る。

その温もりは変わらない。

玄狼はそんな二人を見て、

満足そうに頷いた。

「さて」

「堅い話は終いじゃ」

その瞬間。

部屋の空気がふっと和らぐ。

「今日は家族として来たのだろう?」

銀灰色の瞳が優しく細められた。

「ならばゆっくりしていけ」

その言葉に

唯衣の肩から最後の緊張が抜けた。

窓の外では冬の日差しが庭を照らしている。

真壁家の長として。

レオの祖父として。

玄狼は二人を迎え入れた。

それは

唯衣が真壁家の一員として認められた瞬間でもあった。

本編の裏側や、レオと唯衣の甘い日常をXで更新中です。

小説の合間の息抜きにどうぞ。

X「真壁レオは今日も重い」

@reo_yui_archive

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