それぞれの戦い 真壁レオ3
タイムリミットまで残り四日
あれから数日。
起きていても苦しい。
なら
身体が勝手に眠りを
選んでいるのかもしれない。
最近は寝ている時間の方が長くなった。
発熱
頭痛
吐き気
時々、意識も朦朧とする。
目を閉じれば悪夢。
目を開けても地獄。
なかなか笑える状況だ。
久しぶりに泰山が診察に来たらしい。
らしい、というのは。
その時間俺は薬で眠っていた。
泰山は唯衣と話をし
そして
俺の症状緩和に
「唯衣の体液がいい」と話したらしい。
ほんと
じじぃ
マジでありがとう。
その言葉は、
俺にとって都合がよすぎる免罪符だった。
俺の身体を心配してくれる唯衣は、
常に側にいてくれる。
大丈夫か。
苦しくないか。
痛くないか。
何度も声をかけてくる。
正直、萌える。
上半身を起こす。
唯衣の手を引き寄せた。
「レオ?」
不思議そうな顔をする唯衣を、
そのまま膝の上へ座らせる。
向かい合う形。
近い。
温かい。
唯衣を喰えないのが、
マジでつらい。
唯衣の後頭部へ手を回す。
そして唇を重ねた。
一度。
二度。
何度も。
渇きを埋めるように。
唯衣を感じるように。
離したくなくて
もっと欲しくて
何度も唇を重ねる。
身体を重ねることはできない。
だからせめて
唯衣の温もりを
息遣いを
存在を
確かめるように抱き寄せた。
腕の中で
唯衣が小さく笑う。
それだけで少し安心する。
苦しさは消えない。
身体は相変わらず悲鳴を上げている。
それでも
今だけは悪くないと思えた。
そのまま意識が沈む。
気がつけば
また眠っていたらしい。
ふと目を覚ますと
唯衣が本を読みながら、
真剣な顔で何かをメモしていた。
獣人族についての本だ。
そういえば
俺たちについて知りたいと、
そんなことを言っていた気がする。
眉を寄せながら。
時折ページをめくり。
何かを書き留めている。
その姿を見ていると。
ふわりと何かに包まれたような感覚がした。
少しだけ
優しい気持ちになる。
こんな気持ちは初めてだった。
なんていう感情なのかは知らない。
けれど
とても満たされていた。
少しだけ
渇きが和らいだ気がした。




