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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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それぞれの戦い 榊 景4

タイムリミットまで残り一日


日付が変わる頃だった。

朝倉から連絡が入る。

短い文章。


『成功しました』


その成功の二文字を見た瞬間、

景は翼を広げていた。

第五統合生活支援事業部へ急行する。

研究室へ到着すると、

そこには異様な熱気が残っていた。

歓声。

安堵。

泣いている者までいる。

数日間張り詰めていた緊張が、

一気に解放されたのだろう。

「榊さん!」

誰かが景へ駆け寄る。

「やりました!」

「成功です!」

興奮した声が飛び交う。

景は小さく頷いた。

「皆様、ご苦労様でした」

そう言った瞬間だった。

「ほんと……よかった……」

声が途切れる。

振り返ると、

話していた技術者がその場へ座り込んでいた。

極限状態だったのだろう。

成功したことで、張り詰めていた糸が切れたらしい。

景は静かに研究室を見渡す。

机に突っ伏している者。

壁にもたれて眠っている者。

涙を拭っている者。

誰もが限界だった。

その中心に。

朝倉環がいた。


「こちらです」


差し出された小さなケース。

中には解毒薬が入っている。

朝倉の顔は真っ青だった。

目の下には濃い隈。

今にも倒れそうな顔をしている。

それでも。

その瞳だけは安堵していた。

「統括へ」

朝倉が静かに言う。

「お願いします」

景は薬を受け取った。

その重みは小さい。

だが

そこには、この研究室にいた全員の想いが詰まっていた。

「確かに」

景は深く頭を下げる。

「必ず若様へ届けます」

景は解毒薬を胸元へしまう。


研究室を後にすると、

そのまま夜空へ飛び立った。

向かう先は若のお住まい。

残された時間は、もうほとんどない。

夜風を切り裂きながら飛ぶ。

研究者たちの想い。

朝倉環の執念。

本家技術者たちの努力。

その全てを背負うように、

景は速度を上げた。

どうか間に合ってください。

その願いだけを胸に。

窓から部屋へ入る。

唯衣様がいた。

若様は眠っているのだろう。

だが、その表情は決して穏やかではなかった。

「景さん……?」

唯衣様が不思議そうな顔をしている。

景は小さく頷いた。

「完成いたしました」

その一言で。

唯衣様の目に涙が浮かんだ。


若様へ解毒薬を投与したことを朝倉へ伝える。

返信はすぐに返ってきた。


『結果だけください』


たった一文。

景は思わず小さく笑った。

実に朝倉らしい。

薬を届けた。

あとは結果を待つだけ。

それ以上でも、それ以下でもない。

窓の外へ視線を向ける。

夜明け前の空が静かに広がっていた。

景はそっと息を吐く。

若様。

あとは貴方のお力です。

ここから先は、

誰も代わることはできません。

どうか

あと一歩だけ。

頑張ってください。

我々がついております。

朝倉も。

第五統合の皆様も。

真壁家の者たちも。

そして。

唯衣様も。

景は静かに目を閉じた。

若はもう一人ではない。

本編の裏側や、レオと唯衣の甘い日常をXで更新中です。

小説の合間の息抜きにどうぞ。

X「真壁レオは今日も重い」

@reo_yui_archive

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