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【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

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それぞれの戦い 朝倉環4

タイムリミットあと残り一日と八時間


研究室に沈黙が落ちていた。

誰もが資料を見つめている。

だが答えは見つからない。

朝倉も黙ってデータを追っていた。

統括が残した構造式

反応式

進行予測

どれも間違っていない。

間違っているはずがない。

真壁レオだ。

そこを疑う方が時間の無駄だった。

ならば

問題は別にある。

朝倉はもう一度治験データを開いた。

数値を追う。

反応を追う。

副作用発生の瞬間を追う。

そして

ふと違和感に気付いた。


「違う」


小さな呟きだった。

だが研究室全員が顔を上げる。

朝倉は立ち上がった。

「化学式は間違ってない」

資料をめくる。

視線が走る。

思考が繋がる。

「問題は薬じゃない」

誰かが息を呑む。

朝倉は続けた。

「投与方法だ」

静まり返る研究室。

「安定化剤かもしれない」

「反応条件かもしれない」

「でも薬そのものじゃない」

霧が晴れるようだった。

絶望しかなかった場所に。

一本の細い道が見える。

朝倉は机を叩いた。

「まだ終わってない」

誰かが資料を開く。

誰かがパソコンへ向かう。

止まりかけた研究室が再び動き出す。

「もう一回だ」

残された時間は。

一日と八時間。

第五統合生活支援事業部。

そして真壁家。

両者の意地を懸けた最後の戦いが始まった。

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